2014 Fiscal Year Annual Research Report
長寿社会における地域参画型認知症トータルケアプログラムの開発と評価
Project/Area Number |
24390508
|
Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
渡辺 みどり 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60293479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 貴恵子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20220147)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
征矢野 あや子 佐久大学, 看護学部, 教授 (20281256)
千葉 真弓 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (20336621)
池田 光穂 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40211718)
堀内 ふき 佐久大学, 看護学部, 教授 (90219303)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 認知症 / トータルケア / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中運動プログラム実施を継続し2015年3月に高齢者の身体機能と心理的効果を測定した。健康と感じている者は抑うつ得点が低い傾向があり、ことに活動力や周囲への関心、毎日の生活への満足、自分の活力において有意かった。健康と感じている者は、有意に転倒予防自己効力感が高かった。 認知症高齢者の身体合併症の予防と管理に貢献する目的で、認知症高齢者の有するメチシリン耐性ブドウ球菌の種類と遺伝学的な性状等を検討した。介護施設入所高齢者25名の鼻腔から2株のMRSAを含む15株のメチシリン耐性ブドウ球菌を分離した。MRSEは分離菌の半数を占めこの菌種が有意に拡散していると考えられた。メチシリン耐性に関与するSCCmecとそれを構成するccr遺伝子複合体は、A2B2とCの2つが他のタイプに比べて優位に保有されていた。 認知症高齢者と家族への支援を検討する目的で、地域包括支援センター「もの忘れ相談」253件の内容と割合を検討した。「認知症高齢者が身づくろいをかまわなくなってきた」「夜中に歩き回ったり騒いだりする」などの場合に介護負担感が高かった。相談対応においてはBPSDに加え、日常生活行動の適切さという視点も支援の際に必要である。 認知症の終末期ケア必要な医療連携を検討する目的で全国10施設12人のグループホーム管理者に面接調査を行った。その結果【高齢者の予備力と認知機能を詳細にアセスメントする】【些細な変化を捉え治療的介入の必要性を判断する】などのケア実践に不可欠な要素が明らかになった。 個別的なケアの質を保証するケア実践とその管理という視点から全国郵送調査を行った。631施設データを解析した結果、看護系ケアマネジャー施設は福祉系ケアマネジャー施設に比べ、48項目中30項目において有意に高い割合で実践していた。施設ケア実践は管理者の職種によって異なっており、看護職のケア管理への貢献が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4つの柱から成り立っている。具体的には、1)認知症予防と身体機能維持,2)身体合併症の予防と管理,3)家族介護者・看護職者支援,4)終末期ケア である。 1)~4)研究知見がそれぞれ得られて学会発表や論文成果としてまとまってきており、その知見を社会に好評している。また、2014年6月には、駒ヶ根市周辺に公開した国際シンポジウム「認知症と生きるコミュニティと看護」を開催し約250名の参加者があった。 国際的な学術成果の発信としては、国際アルツハイマー学会2015年4月に発表が予定されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)認知症予防のための身体機能維持については、引き続き水中運動プログラムを継続して実施する。長期的な運動継続とその効果という観点からもその効果を検討していく。 2)認知症高齢者の身体合併症予防と管理については、引き続き、感染という観点からメチシリン耐性ブドウ球菌の各種拘禁約に対する薬剤耐性能等を詳細な検討を進める。 3)家族介護者・看護職者支援については、家族介護者支援を地域包括センターを中心とした相談機能をどのように構築するべきかその方法を検討する。看護職者支援として、個別的なケアの質保証のための看護実践に関する知見を地域に向けて発信する。具体的には、認知症認定看護師などと連携し、学習会、研修会などを企画して、医療現場、地域で働く看護職者に研究成果を普及する。 「認知症高齢者の個別的なケアの質」を探究するため施設ケアのにおいて導かれた認知症ケアの質をいかに病院において適用するかという点も、認定看護師とともに検討していく。4)終末期ケアについても、施設ケアを中心に導かれた「認知症高齢者の終末期ケア方法」に関する知見について病院への適用可能性を検討する。認知症認定看護師などと協議する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究成果を発表する国際学会が計画段階では3月であったが、2年前より4月開催となったこのため、そのため2015年度3月の国際学会参加は不要となり、2015年4月に国際学会旅費分を次年度使用とした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2名の研究者旅費と開催地でるオーストラリアの認知症ケアの実態を把握する情報収集、施設インタビューを予定している。
|
Research Products
(11 results)