2014 Fiscal Year Annual Research Report
難病疾患患児のためのモニタリングシステムを含む地域連携支援パスの開発
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24390512
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
豊田 ゆかり 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (20217574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝川 千鶴子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (00363200)
平林 優子 信州大学, 医学部, 教授 (50228813)
野村 佳代 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (90335589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 難病 / 小児 / ライフイベント / モニタリング / 在宅生活支援 / 訪問看護 / 多職種連携 / 支援パス |
Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護ステーションの事例を基に、難病疾患を持つ子どもと家族が成長・発達に応じて必要とする支援や関係する職種の役割分担を明らかにして、出生直後から成人までの地域連携の構築を目的とした、子どものライフイベントに応じた医療関係者、福祉関係者、教育関係者による地域連携パスを発展させたモニタリング機能を含むパスを開発する。 24~25年度は小児の訪問看護を数年間実践している5か所の訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に、半構成インタビュー(以下インタビューと略す)によるデータ収集を9事例行った。各事例において、訪問看護師は子どものライフイベント(退院・通院・児童デイサービス利用・保育所入所・小学校・中学校入学等)に応じたかかわりを実施していた。かかわった職種は医師・ヘルパー・理学療法士・作業療法士・教員・保育士・保健師・相談支援専門員等幅広く、関係機関も病院・開業医院・保健所・福祉施設・教育機関等他機関に渡っていた。また、地域によっては遠隔地の専門病院から生活する地域の病院との連携、社会資源が少ない地域での活動等、地域性による特徴もあった。医療的ケアが必要な小児の場合、ライフイベントに応じて、連携、調整が必要で有り、訪問看護ステーションを利用している小児及びその家族の相談支援は訪問看護師がその役割を担っていることが再確認された。また、どの事例においても、子どもの身体的状況、家族の状況等を訪問看護師がアセスメントし、その状況に応じたかかわりを行う中で、ライフイベントに参加できるよう社会資源とつなげていた。さらにICFの枠組みで関係職種の活動内容を整理すると訪問看護師が家族の主観的な思いをサポートしていることが明確になった。 26年度は退院後のライフイベントに応じて関係する関係職種が共通して活用できるパスを開発し、研究協力していただける関係機関を模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
障害者総合支援法の開始に伴い福祉的サポートを含む小児の在宅生活支援が相談支援専門員の活動状況に影響を受けるようになった。従って法律に伴う制度の理解や都道府県・市町村の活動整備状況により、関係機関の連携や具体的支援はまだ整備状況であり、現在進めている支援パスの見直しや利便性等の評価には主体となる関係機関の追加・変更が必要となった。現在までは主に訪問看護ステーションを中心に、支援パスの評価を検討していたが、市町村の保健師・相談支援専門員等の評価をさらに加え、評価検討していく必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
法律改正に伴い、関係機関や関係職種の見直しを行い、支援パスの評価、モニタリングのあり方を今後検討する予定である。 さらに、この支援パスが有効に使用されサポートの必要な小児及び家族への支援が行われるためには、専門職種間の相談体制の重要もある。 次年度は専門職間同士のピアサポート体制のあり方も検討しながら、小児地域包括ケアの現状調査を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
障害者総合支援法及び小児慢性特定疾患治療研究事業の制度変更により、調査研究対象の変更・追加の必要性があり、調査協力機関への依頼が遅れたため、必要経費に残が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象協力機関及び専門職への協力依頼のための旅費等へ支出が増加する計画である。
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