2012 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
24401018
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Section | 海外学術 |
|---|
| Research Institution | Kanagawa University |
|---|
Principal Investigator |
廣田 律子 神奈川大学, 経営学部, 教授 (70260990)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 晃 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60230786)
丸山 宏 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (00229626)
松本 浩一 筑波大学, 図書館情報メディア研究科, 教授 (00165888)
森 由利亜 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247259)
浅野 春二 國學院大學, 文学部, 教授 (30289714)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
| Keywords | 宗教学 / 民俗学 / 民族学 / 文化人類学 / 祭祀儀礼 / 儀礼文献 / 伝統文書 / 道教 |
|---|
| Research Abstract |
すでに調査した湖南省藍山県ヤオ族(ユーミエン)が実施した度戒儀礼及び還家愿儀礼の儀礼内容の分析と合わせ、儀礼で使用された大量の儀礼文献及び文書の録文作成、校訂作業、解読分析、現代語訳を進めた。
儀礼の実践及び儀礼で使用される文献の両面から、ヤオ族の儀礼知識の全容を把握し、儀礼間の関係、儀礼の構成要素の異同を明確にすることで諸儀礼の体系的な位置付けを行なう取り組みを行なった。特に大規模の度戒儀礼と中規模の通過儀礼の還愿儀礼と小規模の葬礼の関係を明らかにするため、儀礼の構造の分析を進めた。年中行事の調査を行ない、儀礼の類型をさらに重ね合わせることで、その豊富な儀礼知識が日々行なわれる儀礼生活の中でどのように伝承されているかの詳細についても探求を進めた。
南山大学人類学博物館及びイギリスオックスフォードボードリアン図書館で資料の閲覧収集を進め、複数の異本と対校することで藍山県の文献の個性と普遍性を明確にする取り組みを進めた。ヤオ族の文献を収集している国内外諸機関との連携関係を確立し、ヤオ族文化研究所をヤオ族の儀礼文献の保存・活用・継承に資する研究拠点とし、国際的な研究ネットワークの構築を図った。
国際シンポジウム「第二回国際瑶族伝統文化研討会-資源与創意-」を長沙で開催し、調査対象地域のヤオ族の伝承者はもとより中国国内の研究者、ドイツ・アメリカ・台湾・香港・日本から民俗学・文化人類学・歴史学・道教研究等多分野の研究者が一堂に会し、知見を付き合わせ研究交流を行なうことで、多面的で豊富な内容を持つヤオ族の儀礼知識、儀礼文献に関して解読を進め、さらに学術的な位置付けをすることもできた。発表論文集『第二回国際瑠族伝統文化研討会-資源与創意-会議論集』を刊行した。
さらにメンバーが日本民俗学会第64回年会でグループ発表を行ない、研究成果の発表を通じてさらに研究交流を進めることができた。
なお神奈川大学プロジェクト研究所ヤオ族文化研究所は月に1回程度研究会を開催し、文書及び画像資料のデータ化を進め、ヤオ族文化研究所ウェッブサイト(http://www.yaoken.org/)で内部公開をしている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年に予定していた国際シンポジウムを前倒しし民俗学・文化人類学・歴史学・道教研究等多分野の世界レベルの研究者が一堂に会し知見をつきあわせ研究交流を行なうことで多面的で豊富な内容をもつヤオ族の儀礼知識・儀礼文献に関して解読を進め、学術的な位置付けをすることができた。さらにヤオ族研究に関して国際的ネットワークも構築されつつある。ボードリアン図書館、南山大学人類学博物館で収集した複数の異本と対校することで藍山県の文献の個性と普遍性が明らかになりつつある。
|
| Strategy for Future Research Activity |
すでに調査を実施した度戒儀礼及び還家〓儀礼の儀礼の実践を文献・唱えごと・所作から立体的に復元する取り組みを進めるため引き続き藍山県のヤオ族の伝承者から聞き取り調査を行なう。儀礼間の比較を行なうため年中行事の調査を進める。相同の儀礼知識を伝承してきたものの継承の危機を迎えているタイ族のヤオ族の儀礼調査を藍山県のヤオ族の伝承者とともに実施することで、相互の儀礼知識に関する交流を図る。引き続きヤオ族の文献を収集している国内外の諸機関での資料の閲覧収集を進める。
|
| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
伝承者への聞き取りを行なうため日本に招聘する費用を支出する。
平成24年度は中国での調査が計画通り手配できない状況が生じたので繰り越した。
以下の調査費用は平成24年度に使用しなかった研究費を充当して実施する。
現地の年中行事の調査を行なう費用を支出する。
タイへの儀礼調査費用を支出する。
資料の閲覧のため麗水学院〓族文化研究所・バイエルン州立図書館・南山大学人類学博物館等に出張する費用を支出する。
|
