2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24402015
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小此木 政夫 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50051842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岩 俊司 関西学院大学, 国際学部, 教授 (10248792)
益尾 知佐子 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (90465386)
礒崎 敦仁 慶應義塾大学, 法学部, 講師 (40453534)
西野 純也 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (10453531)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中朝関係 / 中国 / 北朝鮮 |
Research Abstract |
北朝鮮における金正恩体制や新しい中朝関係の形成だけでなく、オバマ大統領と習近平主席が北朝鮮の非核化のために共同で努力することを約束したことが注目された。この地域秩序の変動が東アジア地域における中国の役割や北朝鮮の核問題、北朝鮮の内政、中朝関係、さらに 南北関係や中韓関係にどのような影響を与えるかについて分析を進めた。北京やワシントン、ソウルへの出張を通して中朝関係に関する北朝鮮の資料を収集し検証した。その史料を利用した研究発表を行うとともに、各国の専門家とのワークショップを通して現状分析を進めた。9月には中国政府のシンクタンクである社会科学院と共同で「新しい大国関係と東アジア国際秩序」を題した国際シンポジウムを開催し、各メンバーが歴史と現状分析を踏まえた研究報告を行った。また、長年中朝関係研究に従事してきた中国の専門家と意見交換を行い、その経験や最近の研究を踏まえて、中朝関係及び北朝鮮の情勢について理解を深めることができた。北朝鮮に近い中国ならではの情勢分析に触れることができ、日本側の認識を補う大変貴重な機会となった。11月には冷戦史研究で知られている米国ワシントン所在のWilson centerで、1970年代の朝鮮半島をめぐる国際関係についてワークショップを開催した。70年代地域秩序変動期の国際関係を外交史料を駆使してどのように分析すればよいのかについて活発な議論を行い、同センターが精力的に収集している中朝関係および北朝鮮の現代史に関する東ヨーロッパの資料を得る機会となった。また、米国務省の日本部長をはじめとする政策立案者やオピニオン・リーダーとの意見交換を通して行間を埋めるワシントンの雰囲気に接したことによって、現状を理解する手掛かりを得ることができた。研究メンバー各種公開シンポジウムを通して報告を繰り返しながら研究を進展させるとともに、本研究の成果の一部を広く社会に還元することもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年次の計画通り、海外調査をもとにした歴史研究を踏まえた現状分析を行い、国際シンポジウムの場で報告し、問題意識を深めることができた。特に米中という大国間関係が大きく動いている中で、北朝鮮の核問題や政治的安定、中朝関係の全般に関する議論を通した多角的な検討が可能であった。各メンバーは収集した史料の検証を進めるとともに、研究成果を論文と書籍として社会に還元することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる26年度は、続けて新資料発掘に努めるとともに、入手した史料の検証を進め、研究成果をまとめる。最終報告を兼ねた公開の国際シンポジムを開催するとともに、可能であれば、その成果を書籍として刊行することを目指す。その際には中国の朝鮮半島専門家や米国のウィルソンセンターとの学術交流を進め、分析を深めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
北朝鮮資料の購入を計画していたが、業者との取引が成立せず、購入を延期することになった。 中朝関係及び北朝鮮の政治変化を歴史的にアプローチできる資料なので、今年には資料の購入を進める。
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Research Products
(18 results)