2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24402021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
布川 日佐史 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70208924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 秀雄 大阪市立大学, 法学研究科, 教授 (50161534)
武田 公子 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (80212025)
嶋田 佳広 札幌学院大学, 法学部, 准教授 (40405634)
吉永 純 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (70434686)
嵯峨 嘉子 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30340938)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 最低生活保障 / 就労支援 / アクティベーション / ワークフェア / 生活保護 / 地域雇用政策 |
Research Abstract |
1 ヒアリング調査 求職者基礎保障成立に関わり、その後も制度の定着・発展に影響を持ってきた研究者7名と、連邦労働社会省、連邦労働エージェンシー(BA)、ノルドラインヴェストファレン州、ヘッセン州、ドイツ都市会議、ドイツ郡会議、ドイツ社会連盟、フランクフルト福祉事務所、ヘキストジョブセンター、NPO2団体(ケルン、ベルリン)において、ヒアリングを行った。また、ドイツ郡会議が主催したオプション自治体の成果報告会に参加し意見交換を行った。 2 研究成果 ヒアリングを通じて、研究のポイントに関わる以下の5点について評価の相違を明らかにすることができた。 (1)BAが就労支援サービス機関として大きく改善したとの評価があった。一方、その施策が対象を絞った短期的なものになったことへの批判もあった。(2)改革を推進してきた人の中からも、ハルツ改革は失業を減らしたが不安定就労を増やしたに過ぎないという評価を聞いた。(3)社会法典IIの性格については、研究者の中に大きな認識の違いがあった。背景には、失業扶助の性格を社会保険に付随したものととらえるか、社会扶助と同じ扶助だととらえるかの違いがあることが分かった。(4)オランダ等と比較し、就労支援対象者が拡大したことを積極的に評価する見解を聞いた。(5)自治体の就労支援を側面的就労支援(16a条)に限定せずに労働市場政策として積極的に推進してきた人達が、協同体(ARGE)に見切りをつけオプションを選択したという流れがあった。他方で、自治体が担うのは、原則的に間違っているし、自治体にその能力もインセンティブもないことを強調する意見もあった。 これらの点について、研究を深めることが次年度の課題である。なお、今回新たにコンタクトをもてた研究者に、次年度ヒアリングをする約束を取り付けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定したヒアリング対象者へのヒアリングが順調に進み、かつ、新たなキーパーソンの発掘とコンタクトもできた。 ヒアリングの成果として、重要なポイントでの評価の違いを明らかにすることができ、研究課題を鮮明にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に即してヒアリングを当初計画のとおり進める。新たにコンタクトのできた人へのヒアリングも行う。 中間成果の発表の場として、学会報告の準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツ調査に参加する予定だった分担研究者が家庭の事情で参加できず、その旅費分を書籍等の購入にあてたが、残金を次年度に使用することとしたため。
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