2012 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける移民の編入モードと移民政策の動態的研究―日本・韓国・台湾の比較―
Project/Area Number |
24402034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
渡戸 一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (00230946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 純一 筑波大学, 人文社会系, 助教 (30400617)
金戸 幸子 藤女子大学, 文学部, 講師 (60535699)
塩原 良和 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80411693)
宣 元錫 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 客員研究員 (10466906)
長谷部 美佳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (30624118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 移民政策 / 編入モード / 移民政策 / 東アジア / 日本:韓国:台湾 |
Research Abstract |
1990年代以降、東アジアにおける人の越境移動が活発化し、出入国管理政策と社会統合政策からなる移民政策がその重要性を増している。本研究の目的は、東アジアの主要な移民・難民受入国である日本・韓国・台湾における移民・難民の受け入れと定着のあり方を「編入モード」概念にもとづいて分析しつつ、各国の移民・難民政策の比較研究を行うことにある。具体的には、中国・フィリピン・ベトナムから日本・韓国・台湾への移民・難民の移動の動態を、「移民システム」概念に依拠して分析しながら、そうした移民・難民の流入が受入先社会の編入モードと移民政策にどのような影響を与えているのかを現地調査と理論的考察によって明らかにし、それにより、従来の移民研究に不足していたアジア地域内における国際比較分析の可能性を追究するとともに、東アジアにおける移民政策の今後の展開に向けた提言を導出することを目指す。 24年度は、移民政策の日英比較の専門家を招き、研究の枠組み構築に向けた議論を掘り下げるとともに、文献調査と研究分担者等による海外調査を中心に次年度の本調査に向けた検討を進めた。具体的には、日本、韓国、台湾、そして比較参照事例としてのオーストラリアにおいて予備調査を行い、移民労働者とその子ども、結婚移民女性の編入過程についてその実態と政策を中心に把握した。その結果、韓国と台湾では家事・介護労働者を含む外国人労働者の定住化がまったく予定されておらず、編入の対象は結婚移民女性と高度人材に限定されていることが確認でき、韓国と日本ではそれぞれのホスト社会の血統を引く中国朝鮮族と日系人の定住対策が取り組まれているという特徴が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移民の受入国である日本・韓国・台湾の予備調査は、都市部を中心にした関連機関や当事者等を対象におおむね順調進んだが、送出国側の調査は未着手に終わっており、2年度目の作業課題となっている。また、編入モードをめぐる仮説は一定程度構築したが、暫定的なものに留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
編入モードの比較研究をさらに掘り下げるため、受入側と送出し側の国・地域および参照事例の本調査に取り組むとともに、政策提言に向けた課題を摘出していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
受入国・地域の調査を農村部に拡大して取り組むとともに、送出国に設定した中国、ベトナム、フィリピンにカンボジアを加えて調査を行う。また、各国政府の政策文書の分析作業を進める。
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Research Products
(7 results)