2013 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける移民の編入モードと移民政策の動態的研究―日本・韓国・台湾の比較―
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24402034
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
渡戸 一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (00230946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 純一 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (30400617)
金戸 幸子 藤女子大学, 文学部, 講師 (60535699)
塩原 良和 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80411693)
宣 元錫 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10466906)
長谷部 美佳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (30624118)
武田 里子 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30570410)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 移民政策 / 編入モード / 移民 / 難民 / 東アジア |
Research Abstract |
1.東アジアの移民受入れ国における編入モードと移民(第二世代を含む)受入れの現状及び課題の把握のため、韓国・釜山等における人権施策と移民支援事業等の現地調査(渡戸、明石、宣、金戸、武田)、台湾における結婚移民女性の受入れ態勢等の第二次現地調査(金戸、武田、長谷部)に取り組み、日本との比較分析のデータを蓄積・整理した。また、静岡と関西におけるインドシナ難民集住地域の現地調査(渡戸、長谷部)を行うとともに、関連テーマの学会、研究会、シンポジウムなどに参加し、情報収集に努めた。 2.東アジアへの移民送出し国における送出しの現状及び問題状況の把握のため、中国・朝鮮民族自治区(武田)、フィリピン(宣)、ベトナム(渡戸、明石、武田、金戸)、カンボジア(長谷部、及び研究協力者・富本潤子)の現地調査に取り組み、資料収集も行った。また、研究会への専門知識提供として、「日本・韓国等への中国朝鮮族の移動」「韓国におけるフィリピン人コミュニティの現状」について2名のゲストスピーカーを招聘し、示唆を得るとともに情報の共有を図った。 3.東アジアへの難民受入れとの比較参照事例研究として、オーストラリア・パースの学校における難民子弟の受入れ状況の第二次調査を実施した(研究協力者・松本浩欣) 4.2010年代初頭に行われた韓国「多様性受容」調査(全国調査、学生調査)を、2014年度に日本で実施するための可能性を検討した(宣、渡戸、塩原、研究協力者・竹ノ下弘久、張潔、林徳仁)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画における研究分担者との現地調査等によって、日本・韓国・台湾における移民・難民の受入れと、これら3か国への送出し国(中国、フィリピン、ベトナム等)の状況の把握・分析をさらに進めることができ、あらためて東アジアにおいて活性化する人の移動を背景に、移民・難民の編入モードと移民政策の比較研究の重要性とその課題に対する認識を深めた。なお、韓国調査で把握された韓国政府・女性家族部の「多様性受容」調査(全国調査)を日本でも実施できないかという、新たな調査の企画が提案され、検討中である。さらに、比較参照事例としてのオーストラリアにおける難民子弟の受入れの態様もさらに把握でき、一定の分析結果をまとめることができた。 以上の成果は、随時、研究会を開催して共有し検討してきたが、この間本研究に関心を持つ研究協力者が増え、研究会には最大で15人が参加している。 なお、中国・上海等への台湾人の進出がもたらす中国人の台湾への移動が重要な研究テーマとして浮上したが、2014年度研究事業の課題とした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.国内調査(横浜、浜松、関西、飯田等)を行うとともに、海外調査(韓国、中国、台湾、ベトナム、カンボジア、オーストラリア等)を補足的に実施する。 2.韓国で実施された「多様性受容」調査を日本でも実施する。なお、韓国側の調査は2011年末から12年初に実施されており、比較するには時間が経過しているため、本科研費で日韓同時調査を行う可能性(インターネット調査利用)も模索している。 3.以上の調査に併せて、年間数回の研究会を開催する。 4.報告書の作成に向けてその構成と分担を確定する。報告書(概要版を含む)を2014年度末に刊行し、広く関係者等に配布する。なお、報告書刊行後、学会等での共同発表等と研究書の刊行に取り組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第一に、研究代表者として、中国・朝鮮族自治区調査および第二次台湾調査に参加する予定であったが、家族の入院・不幸等の理由から、参加できなかったこと、第二に、研究分担者のなかにも、海外調査の日程がとれず、未執行となったケースがあったことが、大きな理由である。 1.昨年度後半の韓国調査の参加者から、すでに韓国で実施された「多様性受容」調査を日本でも比較調査として実施できないかという提案があり、同調査の日本での実施に向けた検討を進めてきた。2014年度の予算の中から、この調査のための予算100~120万円程度を振り分けて実施する。 2.日本国内、韓国、台湾、ベトナム等の調査地において補充調査を行うとともに、本研究の最終年度として研究全体のとりまとめに取り組み、報告書を刊行・配布する。
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Research Products
(12 results)