2013 Fiscal Year Annual Research Report
理数科教育における教師の実践共同体とアイデンティティ形成に関する国際調査
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24402048
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
馬場 卓也 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (00335720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 秀雄 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (50112165)
清水 欽也 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (70325132)
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40335881)
中和 渚 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (00610718)
木根 主税 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20557293)
内田 豊海 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 講師 (00585846)
小塚 英治 広島大学, 国際協力研究科, 特任准教授 (50711496)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理数科教育 / 授業研究 / 教員教育 / 職能成長 / 実践共同体 |
Research Abstract |
開発途上国の理数科教育開発において、従来先進国からカリキュラムや教員研修のモデルが持ち込まれることが多かった。この外部性が、当該国でのカリキュラム開発や教員研修改善に必要な専門的知識の蓄積や専門家集団の形成にとって大きな阻害要因となっていた。そこで本研究では、近年開発途上国でも取り入れられている教員教育としての授業研究(Stigler & Hiebert, 1999; Takahashi, 2000; Lewis, 2002)とそこで形成共有される専門的知識とアイデンティティに注目してフィールド調査を行い、開発途上国の理数科教育開発における専門家集団(実践共同体)形成の初期的段階を記述する方法を提案する。 二年度は、2013年12月に広島大学にて、共同研究者が一堂に会するワークショップを行った。またケニア、バングラデシュ、カンボジア各国の理数科教員教育における主要機関・人物を同定し、そこでのフィールド調査を行った。その成果をまとめつつあり、三年度にさらに追加の調査を行う。調査内容は、各国の関係者へのヒアリング、質問紙調査などである。その成果の一端として、行ったRECSAM招待講演をもとに雑誌にて公刊された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査に関しては、カンボジア、バングラデシュ、ケニアは調査をした。その結果を12月にワークショップを行い共有することができた。ザンビア担当の中和氏が産休に入ったが、ザンビアで長年国際協力にかかわってきた中井氏、研究科修了生のBanda氏、Mwanza氏などの協力を得て、ザンビアでも調査を進めていきたい。文献研究についても、教師教育研究に加えて、経営学の観点からも専門家コミュニティの先行研究レビューを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
カンボジア、バングラデシュ、ケニアの調査は、今年度再調査を実施して、より詳細なデータを集める予定である。加えて、二宮・埼玉大学教授の発案で、日本でもデータを取る予定である。また、ザンビア調査に関しては、中和氏以外の関係者の協力を得る予定である。その他の 先行研究をもとにこれら調査結果の解釈を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第二年度は予定していた調査が一部(ザンビア)で実施できなかったことで、少し余裕が生じた。また最終年度は、各国におけるフィールド再調査に加えて、最終報告会を行う予定である。 10月までにすべての調査を終えて、その後成果報告会を持ちたい。また余裕があれば、この分野では先進的な取り組みをしているインドネシアの調査を行う予定である。
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