2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハワイ・ハレアカラ観測拠点における太陽系惑星の可視・赤外高分散分光研究
Project/Area Number |
24403007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠羽 康正 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10295529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野井 健 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80271857)
村田 功 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (00291245)
中川 広務 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30463772)
鍵谷 将人 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30436076)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 惑星 / 光赤外観測 / 高分散分光 / 惑星大気圏 / 惑星磁気圏 |
Research Abstract |
(1) 水星ナトリウム大気の大規模構造・速度場観測:米水星探査機MESSENGERとの同時観測を東北大ハレアカラ40cm望遠鏡で実現させ、広視野・高波長分解能観測能力を活かした大規模密度・速度分布検出に成功し、成果を海外を含む学会で公表した。 (2) 木星のイオトーラス活動と磁気圏活動の関連究明: 可視分光による中性・プラズマトーラス密度を東北大ハレアカラ40cm望遠鏡および米キットピーク天文台で、また赤外線による木星オーロラ観測をIRTF 3m・SUBARU 8m望遠鏡で、2014年12月から本格稼働した極端紫外線宇宙望遠鏡Hisaki/EXCEEDとの同時観測を実現した。(3) 金星・火星大気の宇宙流出検出:極端紫外線観測衛星Hisaki/EXCEEDにより2014年3月から開始された観測計画を立案・実行した。 (4) 金星上層大気: 2012年金星日面通過観測の解析を進めた。また赤外線ヘテロダイン分光器による金星上層速度場観測成果をモデル計算と比較し論文を出版した。 (5) 火星大気の地殻起源物質探索: 2012年4月に実施したSUBARU 8m望遠鏡赤外線分光観測データ解析を、欧州火星探査機Mars Express搭載フーリエ分光器(PFS)との同時観測データも得て、水循環指標となるD/H比の極域に至る季節変動・空間変動を明らかにし、海外を含む学会で成果を公表した。 (6) ハレアカラ山頂60cm望遠鏡移設・2m望遠鏡新設準備: 東北大60cm望遠鏡(福島・飯館)のハワイ移設作業は、ハワイ州当局から「ハレアカラ山頂の希少な野鳥の営巣を妨げないよう」強い要請を受けたため、ドーム建設着工が2013年冬からとなったものの、2014年夏の稼働開始へ向け各種設営・観測装置設置作業を現地で進めた。また新設する2m望遠鏡の主鏡製造・観測装置開発・ドーム設計に現地で貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6本の柱のうち、 (1) 水星ナトリウム大気の大規模構造・速度場観測、(2) 木星のイオトーラス活動と磁気圏活動の関連究明、(3) 金星・火星大気の宇宙流出検出、(4) 金星上層大気の微量成分探索、(5) 火星大気の地殻起源物質探索は、予定した観測活動に成功した。解析は順調に進んでおり、結果はすでに学会講演や査読論文として公表している。(6)東北大60cm望遠鏡(福島・飯館)のハワイ移設は、予定外の現地事情で遅延をみたが、研究グループ側で可能な施設整備・観測装置設定作業は順調に推移した。ハレアカラ山頂2m望遠鏡新設は、米国側の資金確保の見通しもあり、早ければ2016年稼働開始を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24-25年度に取得したデータの解析を進め論文化を行っていくとともに、平成26年夏に実現予定の60cm望遠鏡の稼働を実現させ、以下の活動を遂行していく。(1) 水星ナトリウム大気:米水星探査機MESSENGER活動停止まで引き続き同時サポート観測を遂行する。(2) 木星:2013年12月から着手された極端紫外線観測衛星EXCEEDとの同時連続観測の成果をまとめるとともに、成果形成へつなげていく。2013年秋からスタートさせる。(3)(4)(5)金星・火星:マウナケア山頂施設の大型観測設備だけでなく、ハレアカラに展開済・展開予定の東北大観測設備を生かした金星・火星上層大気の速度場探索・地殻起源物質探索観測を進めていく。(6)ハレアカラ山頂観測設備:60cm望遠鏡移設を成功させるとともに、2m新望遠鏡の主鏡完成・観測装置整備へ引き続き貢献していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度後半に予定されていたハレアカラ山頂60cm望遠鏡移設作業が、現地山頂の環境要求(野鳥の営巣期間中は工事着工不可)のため遅延した。これにより2014年度の必要旅費額が想定より増大することが確定的となったため、積極的に積み残すこととした。 上記理由のとおり、2014年度前半に予定されるハレアカラ山頂60cm望遠鏡移設作業に伴う観測装置の設営、初期試験観測、および本観測に要する旅費へ主に充当していく。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] The extreme ultraviolet spectroscope for planetary science, EXCEED2013
Author(s)
Yoshioka, K.; Murakami, G.; Yamazaki, A.; Tsuchiya, F.; Kagitani, M.; Sakanoi, T.; Kimura, T.; Uemizu, K.; Uji, K.; Yoshikawa, I.
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Journal Title
Planetary and Space Science
Volume: 85
Pages: 250-260
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Investigation of the solar UV/EUV related changes in the Jovian radiation belt and thermosphere2013
Author(s)
Kita, H.; Misawa, H.; Bhardwaj, A.; Tsuchiya, F.; Tao, C.; Sakanoi, T.; Miyoshi, Y.; Kasaba, Y.; Morioka, A.
Organizer
European Planetary Science Congress 2013
Place of Presentation
London, UK
Year and Date
20130908-20130913
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