2013 Fiscal Year Annual Research Report
ペルー共和国マチュピチュ遺跡建造物遺構の保存修復に関する調査研究
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24404001
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
西浦 忠輝 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (20099922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保良 国士舘大学, 付置研究所, 教授 (90115808)
藤田 晴啓 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (40366513)
西形 達明 関西大学, 工学部, 教授 (40121892)
伊藤 淳志 関西大学, 工学部, 准教授 (50159860)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マチュピチュ遺跡 / 建造物遺構 / 保存修復 / ペルー共和国 / 世界遺産 / 花崗岩 |
Research Abstract |
5~6月に、ペルー政府文化省クスコ支部ならびにマチュピチュ遺跡保護管理事務所と連絡調整し、現地調査時期を決定し、またペルー側の協力体制を確認した。7月に研究グループの第1回国内検討会を開催し、25年度の具体的な調査研究計画を協議し決定した。8月にペルー共和国を訪れ、下記(1)~(8)の調査研究活動を行った。 (1) 文化省クスコ支部ならびにマチュピチュ遺跡保護管理事務所において、具体的な調査、研究計画と協力体制についての打ち合わせを行い、正式な覚え書きの交換。(2) 全体の建造物遺構について、その劣化、保存状態、保存環境の目視調査。(3)「太陽の神殿」遺構の劣化状態、保存修復対策、周辺環境整備に関する詳細な調査。(4)「太陽の神殿」遺構の三次元画像解析用のための測量と写真撮影記録。(5)「太陽の神殿」遺構の保存上の問題点とその解決法についての研究協議と、具体的な対策(保存修復処置法)計画の策定。(6)「太陽の神殿」遺構の保存修復を想定した、基本的な現地処置実験。(7) マチュピチュ遺跡保護管理事務所より新たに依頼された「インティワタナ(日時計)」遺構の劣化と保存修復に関する調査。(8)文化省クスコ支部総裁への調査、研究結果の報告と、今後の活動計画についての説明と協議。 12月に研究グループの第2回国内検討会を開催し、調査研究結果について検討し、合わせて今後の計画について協議した。3月に新潟で一般市民向けのシンポジウム「マチュピチュ遺跡保存修復国際プロジェクト」を開催し、研究成果を発表した。また、ホームページでは逐次情報を公開している。調査研究成果を学術誌で2編公開し、また関連学会で2件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、現地における調査・研究ならびに日本における資料収集整理、検討、考察が行われ、着実に成果が得られている。成果の公表については、ホームページでの公開、学術誌への論文発表、学会での研究発表を十分に行っており、きわめて順調に推移している。 当初の計画では、マチュピチュ遺跡の代表的な遺構である「太陽の神殿」を対象にする予定であったが、計画の順調な進展を受けて、ペルー側より新たに「インティワタナ(日時計)」遺構の劣化と保存修復に関する調査を依頼され、開始した。この遺構は「太陽の神殿」とともにマチュピチュ遺跡を代表するものであり、当初の計画以上のペースで調査、研究が推移している。 計画にはなかった公開シンポジウムを開催し、成果を広く社会に公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に則り、相手国(ペルー共和国)との良好な連携の下に、「太陽の神殿」遺構の保存修復の調査・研究を進め、得られた研究成果を広く公開する。 さらに、新たに研究対象とされた「インティワタナ(日時計)」遺構についても詳細な調査を行う。 調査、研究結果を基に「太陽の神殿」遺構の具体的な保存修復マニュアルを作成する。「インティワタナ(日時計)」遺構については、さらに必要な調査研究内容を明確化して、新たな研究計画を立てる<別途計画> 調査研究成果については、積極的に学術誌に投稿し、学会等で発表する。また一般市民向けのシンポジウムを開催し、広く公開する。 ホームページを適宜更新し、最新の成果を公開する。 最終報告書の作成に向けて、研究成果を総括する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度には24年度分からの繰り越し金により、当初計画に加えて公開シンポジウムを開催することができた。26年度にも公開シンポジウムを開催することができるよう、可能な範囲内で予算を繰り越した。 当初計画には含まれていなかった公開シンポジウムを開催すべく、その費用の一部に充当する。
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[Journal Article] Conservation of the Machu-Picchu Archaeological Site: Investigation and Experimental Restoration Works of the "Temple of the Sun"2014
Author(s)
Tadateru NISHIURA, Yasuyoshi OKADA, Hideaki SHIBATA, Isamu ONO, Masaaki SAWADA, Atsushi ITO, Tatsuaki NISHIGATA, Haruhiro FUJITA, Masayuki MORII, Fernando ASTETE, Champi MONTERROSO, Carlos CANO
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Journal Title
The Journal of Center for the Global Study of Cultural Heritage and Culture
Volume: Vol.1
Pages: 67-79
DOI
Peer Reviewed
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