2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国低開発農村の持続可能な新システムの形成と定着に関する研究
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24405048
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保母 武彦 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (70127497)
谷口 憲治 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (80124329)
一戸 俊義 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20252900)
上園 昌武 島根大学, 法文学部, 教授 (00314609)
松本 一郎 島根大学, 教育学部, 准教授 (30335541)
山岸 主門 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (00284026)
関 耕平 島根大学, 法文学部, 准教授 (10403445)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 持続可能性 / 農村社会 / 農業 / 牧畜業 / 環境政策 / 環境教育 / 中国 |
Research Abstract |
2012年6月10日~17日に寧夏大学と寧夏回族自治区てで予備調査を中心とした調査を実施した。日本側研究者と中国側研究者・政策実務者がミニワークショップを行って各研究テーマに関連して報告・質疑を行い、今後の研究展開についての意見交換を行った。また、寧夏社会科学界連合会(社会科学系の研究結果を政策に生かす組織)を訪問し、今後の研究交流について協議した。現地調査は塩池県、紅寺堡をまわり、生態移民の集落で農民の農業・畜産の実態と生活環境条件について、各地区数名の農民と地区の代表からの詳細なヒアリングなどを行うことができた。こ調査結果の概略は、以下のとおりである。①2000年から開始された西部大開発政策で地方都市での土木建設拡大による労働力需要が発生し、またその後地方都市に軽工業が進出しそのパート労働力需要も拡大。②他方、黄砂と表土流出を防止し環境保全のために開始された「退耕還林」政策(2000年~)、「封山禁牧」政策(2003~)のため農業生産は粗放的農業から集約的農業に変化し、牧畜も放牧から舎飼に変化した。農業・牧畜の労働生産性は上昇し、農外就業も可能になり農家収入は増加した。③しかし環境的負荷は以前よりも大きくなり、現在のところ所得拡大が主眼で環境負荷の軽減は考えられていない。これらの予備調査をもとに、農村を類型化し各類型について基礎調査を地域を特定して10月に実施することにし、カウンターパートと打つ合わせを行い、調査票を作成し準備を進めた。 しかし10月の本調査実施スケジュールも確定していたが、2012年9月の尖閣諸島問題による日中間の関係悪化のため、中止せざるを得なくなった。そのため今年度の共同調査・共同研究は、本調査が唯一のものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予備調査とキックオフのミニワークショップを実施した。日本側研究者と中国側研究者・政策実務者が各研究テーマに関連して報告・質疑を行い、今後の研究展開についての意見交換を行い、寧夏社会科学界連合会との今後の研究交流について協議した。寧夏回族自治区の典型的農村である塩池県、紅寺堡をまわり、農民生活と環境の実態を集落でヒアリングを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
寧夏回族自治区における地域貢献・提言型地域研究へむけた連携・調整を行った。具体的には1)寧夏大学研究者・現地政府関係者との意見交換と今後の連携確認とともに研究概要紹介と意見交換の実施。具体的なモデル地域の選定について協力依頼した。2)寧夏社会科学界連合会の訪問と今後の協力・連携。自治区内の社会が各分野の成果を政府の立場から評価し、政府資料とする機関。島根大学の研究概要に対して、自治区政府の直面している課題、研究要請と合致していると評価。今後、連合会メンバーが科研のメンバーとして加わり、連携・協力していくことを確認した。 これらを受けて平成25年度にはおくれを取戻し、基礎調査と社会実験の基盤を固めてゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年10月に現地における本調査が予定されていたが、尖閣諸島に関わる日中両国間の領土問題による関係悪化のため、直前になっての中止・延期せざるを得なくなり、その後も状況が好転しなかったため、現地調査ができなくなった。 2013年度において、おくれを取り戻すべく現地調査を実施し、社会実験の基礎的資料を得られるように努力する。
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Research Products
(19 results)