2013 Fiscal Year Research-status Report
画像理解の手法による3次元多臓器の分離と検索に関する研究
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24500197
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
井宮 淳 千葉大学, 統合情報センター, 教授 (10176505)
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Keywords | 変分原理 / データ蓄積 / 大域的整合計算 / 局所的整合計算 / 学習 |
Research Abstract |
24 年度におこなった基礎的研究を受けて、以下の2点に付いて研究を進めた。 1.形状を電子的に変形する技術はモーフィングと呼ばれ、変形後の形状に元の形状曲面上のパターンを貼り付ける技術はモザイクと呼ばれる。これら2つの技術は、現在では商業映画の編集などに利用されており、芸術支援としては完成された技術である。しかし、確率構造を持ち、複数の分布に分かれたデータである多臓器を規格化臓器に変換するために、新たに、臓器表面の局所的な動きを記述するテンソル量に対するモーフィングとモザイク技術を開発すした。 2.臓器表面の局所構造を、MRI再構成画像列から高精度計算する手法を開発する必要がある。画像列の中の局所運動を抽出する手法として画像理解の中で開発されたオプティカルフローの手法はそのままでは、3次元非剛体の再構成画像列に適用することはできない。そこで、新たに、非剛体拘束条件を考慮した、非接触3次元局所構造計算法を開発した。 3.変分原理を利用した臓器蓄積の前処理として、大域的蓄積を計算する必要がある。大域的蓄積にはあらかじめ構築して辞書が利用される。そこで、蓄積の高速と装置の軽減化を行うために、疎な辞書を利用しても高精度に大域蓄積を実現できる辞書の学習方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多数の3次元臓器画像はデータ量が多いため、既存のパターン分類法では大きな計算容量と長い計算時間を必要とする。そこで、(1)データを圧縮してからパターン認識を行う「疎パターン認識」に基づいて、データの必要な部分を必要な量だけ圧縮して1枚の画像の中に撮像されている多数の臓器をこの臓器に分割する手法を開発した。ついで、(2)分割された臓器を標準化し、分類するためには、平面画像やユークリッド空間の点集合を分類する理論に変えて、抽象表現空間の分類理論を構築する必要がある。そこで、超曲面上の分布に対するパターン識別理論を開発した。これら、開発した理論と計算法は、医用画像処理にとどまらず、広い意味での大規模パターン認識に応用可能である。さらに、形状整合に利用される局所特徴量の微分幾何学的性質が明らかになり、26年度に集中的に検討すべき課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元臓器データを蓄積するためには、ランドマークを利用する必要がある。ランドマークは判読医が解剖学に基づいて決定してきた。一方、画像を微分幾何学に基づいて扱うと、特徴的な点として特異点が現れる。微分幾何学的特異点と判読医が決めた視覚的特異点との関係が明らかになると共に、視覚的特異点の微分幾何学的性質が明らかになった。そこで、画像判読に基づいて画像蓄積を実現するためには、確率分布での微分幾何学的特異点の利用が有効であることが明らかになった。そこで、微分幾何学的特異点の整合への利用について集中的に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本課題において継続して利用するソフトウェアの保守費用の支払いが、26年度早々に発生するため。 継続して利用するソフトウェアの保守費への充当と、最終年度としての研究成果発表のための会議出席費に充当する。
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