2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム世界で形成された人物イメージが現実世界の人間関係に及ぼす影響
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24500265
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
風井 浩志 関西学院大学, 理工学部, 理工学部研究員 (80388719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
藤澤 隆史 福井大学, 子どものこころ発達研究センター, 特命助教 (90434894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 対人認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究の目的のひとつは、前年度に引き続き、時系列コンテンツ課題 (テレビゲームプレイ、動画視聴など) による心理的変化をとらえるための生体反応の解析手法を検討することであった。前年度までに、喚起される情動を統制し易いコンテンツとして動画を採用し、比較的安定して計測できる生体反応として心拍変動に注目してきたことから、平成27年度も動画視聴による心拍変動の解析手法を検討した。特に、近年になって提案されたローレンツプロット解析による交感神経系と副交感神経系活動の個別評価を試みた。この解析手法は従来の手法に比べて比較的短時間の変化を捉えることができるという利点を持つ。しかしながら、動画によって情動を喚起することはできたものの、これらの情動から予測される神経系の活動の相違と心拍変動との対応関係を明らかにすることはできなかった。情動と心拍変動との対応関係を見出せなかった一因として課題としての動画視聴時間が不十分であることが考えられたが、場面展開が速い時系列コンテンツによる心理的変化を心拍変動で評価するためには、さらなる検証が必要である。 本研究課題名に示されている「テレビゲームプレイが現実世界の人間関係に及ぼす影響」に関して、実験室で2人同時でゲームをプレイした実験参加者が後日にプレイ相手の作業に協力するために再び実験室に来る意思を示すか否かによって検証した。実験の結果として、妨害的なプレイスタイルであったプレイ相手に対して協力の意思を示した実験参加者の割合は、非干渉的なプレイスタイルであったプレイ相手に対して協力の意思を示した実験参加者の割合よりも低かった。この結果は、ゲームプレイのスタイルによってその後の協力行動が左右されることを意味し、その後の人間関係への影響を示唆する。
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