2012 Fiscal Year Research-status Report
ファジィ支援情報の提示による人に優しい歩行案内システムの開発
Project/Area Number |
24500272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安信 誠二 筑波大学, システム情報系, 教授 (00241795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 長史 筑波大学, システム情報系, 助教 (90582776)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ファジィ理論 / 人工知能 / ユーザインタフェース / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究では、ソフト・コンピューティング技術を基礎とするソフト学習制御(ファジィ制御、知的制御、機械学習)の有用性を検証すると共に、近年のデジタル計算機の高性能・高度化を活用して、盲導犬などによる歩行案内を具体的イメージとして、被支援者の固有の目的を柔軟に学習し、優しく配慮した知識を組込める、ファジィ支援情報の提示による知的協調案内方式の開発を進めている。提案方式の有効性を実証するため、1/10 スケールの電動車にファジィ支援情報の提示機構を搭載した「人に優しい知的歩行案内ロボット」を開発し、被支援者に優しい案内の実現を図っている。 本研究テーマの初年度である、H24年度は、人間が操作する場合には、人間をシステム内部に組み込む事を検討した。すなわち、被操作者をある意志を持ったシステム要素として扱い、これとの協調をとりながら全体システムの構築を進めている。また、被操作者が気持ちよく動作できることを重視している。これを実現するため、これまで開発してきた自動運転からの制御指令を制御器からの意志であるファジィ制御指令としてそのまま用い、また、被支援者の特性をモデルとして保持し、人への優しさをたとえば、「通路が広いなら中心線から多少ずれても良い。」、「うまく通れそうならガイダンスを少なくする」など、ファジィ集合として定義し、これらを用いた案内知識により、画面、音や光を用いた協調案内を行う方式を提案し開発を進めている。 今年度、基盤とするハードウェアとして、1/10 スケール電動車両を購入し知的協調案内システムに使用できるように整備を進めた。 また、主に研究分担者が中心となり、被支援者の目的を報酬として与え、柔軟な案内知識を強化学習によって獲得できる方式の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発システムの基盤として1/10スケールの電動車両を当初の計画通りに購入し整備を進めている。 ファジィ支援情報の方式提案については、国際会議において、被支援者の安全性を考慮した案内の考え方である「An intelligent car driving based on fuzzy target with safety zone」、および国内会議で、今回の開発システムの概念提案として「ファジィ支援情報を用いた歩行者誘導システムの提案」、を題目として発表を行い、関連研究者からも評価された。また、従来からの研究テーマについても、ここで開発する案内システムの要素として役立つよう、機能を拡充して研究をまとめると共に、雑誌論文として投稿(合計6編、内国際会議での発表4件)、日本語での学会発表(3件)を行い、議論を進めている。 また、案内知識の強化学習による獲得に関しては、食堂などの営業時間などを考慮し、ここで開発している案内システムに適合した強化学習の方式について、2件の学会発表を行い、関連研究者との議論を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を基にして、ハードウェアに関しては、搭載用画像処理系と、レンジファインダなどを用いて周囲状況を検知する環境認識系を組み込み、自律走行が可能なように高機能化を行う。また、ソフトウェアに関しては、開発したシステムが提供するファジィ支援情報を、人間にわかりやすく、しかも、優しい支援情報の提供が可能な知的協調支援ソフトの開発を行う。これらを組み合わせて、有効性の実証実験と評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(11 results)