2014 Fiscal Year Research-status Report
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24500343
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若木 宏文 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90210856)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GMANOVAモデル / モデル選択規準 / ランダム効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランダム効果を持つGMANOVAモデルの変数選択問題に関するモデル選択規準を導出した。 具体的には、g(≧2)個の各群に所属する各個体に関してp時点での観測が行われる場合に、観測時点の多項式回帰を一般化した回帰モデルを考え、切片項を個体変動表わすランダム係数とし、観測誤差は個体と時点に関して独立に同一の正規分布を仮定した。カルバック・ライブラー ダイヴァージェンスに基づくモデルのリスクの、最大対数尤度による偏差の漸近展開を導出した。通常のAICであれば、偏差は漸近的に未知母数の個数の2倍であるが、ランダム係数の分散が0の場合には未知母数1個分小さくなり、さらに、ランダム係数の分散が標本数の平方根の逆数のオーダーで0に近づくという状況では、リスクの漸近不偏推定量を得るためには、罰則は、両者の中間の値にすべきことがわかった。AICのリスクの推定量としての偏差は標本数の逆数のオーダーであるが、ランダム効果を持つGMANOVAでは、偏差のオーダーは標本数の平方根の逆数のオーダーであるが、漸近展開公式を利用して、このオーダーまで偏差を修正する修正AICタイプの情報量規準を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経時データモデルのうち、ランダム係数が一つの場合に関しては期待していた研究成果を得、複数の場合にも拡張できる見通しが付いたが、ポアソン分布や多項分布等、非正規母集団に対する一般化線形混合モデルに関する研究が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
GMANOVAモデルのモデル選択規準の構築において、モデルに含まれる説明変数の個数が群で共通である場合を扱ったが、群ごとに説明変数の個数を変えた、より一般的なGMANOVAや、ランダム係数の個数を複数とした場合などに、これまでに得られた研究成果を拡張する。 ロジステック回帰等の非正規な一般化線形モデルにランダム効果を導入した場合のリスクの評価に取り組む。
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Causes of Carryover |
ランダム効果を持つ経時データ解析モデルの選択規準を導出し、その数値実験による検証を行うとともに、研究成果をシンポジウムにおいて発表する予定であったが、成長曲線モデルの変数選択問題において、リスクの近似誤差がランダム効果の分散について一様でないことがわかり、計画を変更してランダム効果が0に近づくという漸近的枠組みでのリスク評価を行うこととしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ランダム効果を持つ成長曲線モデル、一般化線形モデルやGEEの変数選択規準に関する情報収集、および成果発表のための旅費、提案手法の評価に必要な数値実験のための計算機環境の整備等に使用する。
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