2014 Fiscal Year Annual Research Report
ブートストラップ型リサンプリングに関する基礎的研究
Project/Area Number |
24500350
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
仁木 直人 東京理科大学, 工学部, 教授 (10000209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コンピュータ支援統計 / 数式処理 / 統計量分布 / 対称式 / 統計的汎関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ブートストラップ型リサンプリング法に関して,漸近評価によらない正確な性質を明らかにするため,数式処理と対称式演算を駆使した方法論を確立した.その成果により,母集団や統計量によらない議論が可能となり,従来にはない見方と応用の可能性を与えた. 2.最終年度の目標である再標本の確率変動(リサンプリング分布の積率の積率)を観測値積率で正確に表現し,そのサンプリング変動(積率の積率の積率)の正確な表現を母集団積率を用いて与えた.このとき,数通りの算法による代数計算を行うことで,論理的・実装上の誤りを排除しながら,原点周り積率だけでなく,平均周り積率についても求めている. 3.ブートストラップ法の本質はリサンプル中の観測値出現頻度の頻度分布にあることを明確化し,ブートストラップ法で生じる頻度・頻度分布の一般化を行った.また,その一般化された分布が Pitman 確率分割と双対の関係にあることを見出した.また,その一般化をもとにしたブートストラップ法の拡張 (Infrated Bootstrap) が可能であり,リサンプリング法の大きな欠点である確率的変動の過小評価を解決する手段のひとつになると考えている.これらについては,投稿準備中である. 4.ブートストラップ法を典型例として含む GPU を用いた並列繰返し確率的計算に関する研究を行い,主に計算時間分布の漸近理論および実際的な状況を意識した近似の部分は,すでに学術誌に掲載されている.また,具体的な実装の関する論文も,投稿準備が整っている. 5.適用可能範囲を明確にするため必要とする統計的汎関数が関係する部分については,文献調査に基づく限り,概ね問題がなさそうである.しかし,厳密な証明には,既存研究では十分にカバーがされていない,解析論的・確率論的検討が必要と感じている.
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Research Products
(6 results)