2014 Fiscal Year Research-status Report
シナプス接着蛋白Cadm1の自閉性障害変異導入マウスにおける分子病態の解析
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24500386
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
神保 恵理子(藤田恵理子) 自治医科大学, 医学部, 講師 (20291651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃井 隆 国際医療福祉大学, その他の研究科, 客員教授 (40143507)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シナプス接着分子 / Cadm1 / 変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉性障害は、遺伝要因が示唆される。今まで脳機能に関与する原因候補遺伝子が多く見出されているものの、一つの遺伝子に集約されず未だ統一的見解が存在しない。これまで、本研究では、Cadm1ノックイン(KI)マウスの行動解析により、社会行動性に障害や、近年自閉性障害の指標とされているマウス間の超音波音声にも違いを検出した。また、Cadm1がmulti-PDZ protein(MUPP1)が結合すること、そしてMUPP1のPDZ領域には様々な分子が結合して複合体を形成することを明らかにしてきた。 本年度は、Cadm1KIマウス、Cadm1ノックアウト(KO)マウス、Cadm1-GFP-TgマウスおよびCadm1KI-GFP-Tgマウスの脳を用いて、自閉性障害と小胞体ストレスによる膜輸送障害とシナプス機能障害との関係を解析した。マウスから取り出したGFP陽性神経細胞における変異蛋白やシナプス受容体の膜輸送障害を可視化したところ、変異Cadm1蛋白の大部分は、シナプスに局在せず、細胞体に留まっていた。これは培養細胞セルラインを用いた結果と一致しており、機能障害の中でLoss-of-functionだけでなく、Gain-of-function の可能性がさらに示唆された。Cadm1変異が及ぼす複合体形成への影響については、in vitroにおいて野生型に比較し変異型の結合が弱い傾向が表れたものの、顕著な差を見出すことができなかったことから、実験条件の再検討が急がれる。また、昨年度の解析においてマウス超音波音声に違いが見られたCadm1KI/TSC-1-2KOマウス由来の様々な遺伝型の異なるマウス個体を用いた組織学的では、神経細胞の樹状突起の伸長およびシナプスに差が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の成果として、最終年度(平成27年度)に国際論文を投稿したものの、年度期限内に事務処理を含めた受理・掲載まで終了しなかったこと、また、変異が及ぼす複合体形成への影響について、in vitroでの変異型と野生型の顕著な差を検出できる実験条件の工夫や再検討が必要なことから。
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Strategy for Future Research Activity |
Cadm1遺伝子改変マウスの脳を用いて、自閉性障害と小胞体ストレスによる膜輸送障害とシナプス機能障害との関係を解析する。 1)Y251変異が及ぼす複合体形成への影響について実験条件の再検討を行う。 2)各種遺伝子改変マウスから取り出した神経細胞を用いて小胞体ストレスを可視化させ、変異Cadm1の影響を検討する。 3)論文受理に必要となる可能性のある再実験を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の成果として、平成26年度に国際論文を投稿した。しかしながら、審査過程のため、最終年度(平成27年度)期限内の受理および支払まで完了しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文受理に必要となる再実験のための試薬等の消耗品、および論文投稿料・印刷料などに充てる。
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Research Products
(8 results)