2012 Fiscal Year Research-status Report
画像支援定位脳手術の新規モデル確立に向けたミニブタの脳地図作製
Project/Area Number |
24500480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 敏之 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10162215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 教授 (50150272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニューロナビゲーション |
Research Abstract |
メキシカンへアレスブタ(6~12か月齢)に吸入麻酔薬を吸入させて全身麻酔を施し、フレームレスナビゲーション法を用いた脳座標算出法を検証した。あらかじめ当該ミニブタの一頭から取得した頭部CTデータをテンプレートとした。頭蓋骨に存在するブレグマ等の解剖学的マーカーをもとに、rostral region (一次体性感覚野の一つ)で最大誘発電位が得られる座標を求めた。その値は、x= 9.1 mm; y= -51.0 mm; z= -8.8 mm (3例の平均値)で、標準偏差の値は平均値の13%以下であった。これらの実験を通して、測定時に生じる空間の歪みを補正する必要があること、この補正には測定の際に併用したグリッドが有用であることがわかった。 脳地図作成のための切片作成に向けては以下の作業を行った。同系統のミニブタに前述した方法を用いて全身麻酔を施し、CTならびにMRIデータを取得する際に参照するためのマーカーを埋め込んだ。その後、頭部をホルマリン加リン酸緩衝液にて血管潅流した。潅流後、頭部を脳定位固定装置に固定し、頭蓋骨の一部を切除した。ブレグマを基点とした所定の位置で前額断面および矢状断面に沿って非磁性体マーカーを挿入・固定した。作業終了後、CTならびにMRIデータを取得し、挿入したマーカーの位置を確認した。MRI画像データで、座標設定の際に基点として利用可能な前交連および後交連を視認した。これらのブタの頭部は後日の脳切片作成に供するため、さらにホルマリン液に保存した。 また、ブタの脳切片染色プロトコールや染色脳切片の撮影法を検証した。前者については、メキシカンへアレスブタの脳切片でニッスル染色を行った経験を踏まえて、プロトコールを確認することとした。また、他に適用可能な染色法を検証している。後者については、技術的な問題点を解消できるめどがついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的としている脳地図作成に向けて必要なミニブタの頭部のCTデータならびにMRIデータを取得できている。また、MRI画像において標準基準面を設定するために必要な脳内部マーカーを視認できたことにより、MRI座標系においては精度の問題は残されているものの、脳内各部位の座標を付与することが可能となっている。一方、CTならびにMRI座標系を踏まえて、脳切片作成に向けた作業を進めている。当初の予想より脳切片作成作業にやや遅れがみられるものの、今後の作業に必要な環境は整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られているCT座標とMRI座標を統合した後、標準基準面を設定する。また、同一個体から得たマーカー挿入済の脳を用いて、上述の標準基準面に沿って脳切片を作成し、染色する作業を重点的に進める。CT・MRI座標系を踏まえた脳座標を付与していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)