2013 Fiscal Year Research-status Report
画像支援定位脳手術の新規モデル確立に向けたミニブタの脳地図作製
Project/Area Number |
24500480
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 敏之 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10162215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 教授 (50150272)
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Keywords | ミニブタ / 矢状断連続脳切片 / 脳地図作成 |
Research Abstract |
ホルマリンの血管潅流にて固定したメキシカンヘアレスブタの脳を用いて、連続切片作製法を検証した。滑走式ミクロトームを用いて、矢状断の連続凍結切片(厚さ50 μm)を切り出す作業を試みた。切片を切り出す作業の中では、脳切片の厚さが一時的に不均一になることがあり、脳ブロック全体の冷却の度合いを細かく調節する必要があった。各切片を切り出す直前にその都度、脳ブロック断面の全体像を撮影した。 切り出した脳切片にニッスル染色を行った。染色した脳切片では、脳地図作成の際に水平基準面のマーカーとなる前交連と後交連を肉眼で確認できた。染色脳切片ははじめに全体像を、続いて、マクロ撮影装置にて4~6個の撮影ブロックに分けて撮影した。いずれも良好な像を取得できた。マクロレベルからミクロレベルまで一つの画像ファイルで確認できるデータベースについては技術的な検討を進めた。 脳地図を作製するためには各切片の相互の位置関係がずれないように配慮する必要がある。このために、今回は各脳切片を切り出す直前に撮影した画像を底面におき、切片をスライドガラスに張り付ける際に相互の位置関係のずれが生じないようにした。これに先立ち、メキシカンヘアレスブタの頭部を脳定位固定装置で固定し、相互の位置関係を確認するためのマーカーを脳内部に挿入したが、X軸、Y軸、Z軸、互いに垂直に挿入することは技術的に困難であることがわかった。そのため、マーカーをもとにした位置合わせは見送った。 一方、メキシカンヘアレスブタのMRI画像では脳地図作成の上で必要な水平基準面のマーカーとなる前交連と後交連を視認できた。また、CT画像ではあらかじめ頭蓋骨に埋め込んだ人工マーカーを確認することができた。脳切片をもとにした座標とCT/MRI座標とを統合する作業に向けては、CT画像やMRI画像をもとに基準点の検証を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミニブタの脳地図を作製するために必要な作業の中で、脳の連続切片を切る作業は要となるものである。サイズが比較的大きい脳から連続凍結切片の切り出しを可能にするため、凍結前の脳ブロック処理、凍結条件、切片切り出し時における冷却条件など、諸々の条件を検証し、適切な条件を絞り込むことができた。また、切り出した切片上で脳地図の基準面を設定するために不可欠な内部マーカーを視認できた。これによって次に予定している前額断切片を作製するための軸を設定することが技術的に可能になった。 また、作製した脳矢状断切片の全体写真を市販の一眼レフカメラを用いて、良好に撮影できることも確認できた。今後、多数の脳切片が出来上がってくるが、短時間で多数の切片のデジタル画像を取得できる方法を確認できたことで、脳地図作成作業の効率化を図ることが可能となってきた。 一方、ミニブタの脳のCT画像やMRI画像も既に取得されており、それぞれの撮影画像で座標を算出することが可能となっている。また、標準脳に向けた基礎的なデータを収集している。 このように、CTやMRI座標と統合した形の脳地図を作製する上での素材が整いつつあり、現在までの研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はミニブタの脳で設定した水平基準面を踏まえて前額断脳切片を作製していくが、この作業については短期集中的に進める予定である。その後、染色脳切片の画像を取得し、暫定版ではあるが、ミニブタの脳地図を論文などで発表する作業を予定している。標準脳についてはミニブタでの事例が1例しかないため、他の動物の事例も合わせて参考にし、研究協力者の支援により進めていく予定である。一方、データベース構築方法については、専門家からの支援が必要となってくる。データベースについては既にマーモセットの脳地図がインターネットで公開されていることから、それに活用されているデータベース構築方法も参考に考えている。
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Research Products
(1 results)