2014 Fiscal Year Research-status Report
画像支援定位脳手術の新規モデル確立に向けたミニブタの脳地図作製
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24500480
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 敏之 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10162215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 教授 (50150272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミニブタ / 脳地図作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホルマリンの血管潅流にて固定したメキシカンへアレスブタの脳を用いて、引き続き、矢状断の連続凍結脳切片の作製法を検証した。昨年度までの作業で発生した、切片の厚みが不均一になる、凍結脳ブロックの一部が剥離するなどのトラブルを防止するため、今年度は、凍結切片作成前に行う前処理で脳に残る細かい気泡を取り除く、グリセリン処理を十分に行う、凍結温度を測定するなどの工夫を加えた。これらの工夫により、50 μmの厚さでメキシカンヘアレスの脳から矢状断の連続脳切片を作製できることを確認した。これらのニッスル染色切片では、いずれも脳地図作成に必要な水平基準面マーカーである前交連、後交連を確認できている。 上述の作業に加えて、メキシカンへアレスブタからさらに脳地図作成用脳標本を得るため、セボフルラン吸入による全身麻酔下で、脳のホルマリン血管潅流を行った。また、前後してMRIならびにCTにて脳および頭部の画像撮影を行い、脳地図作成用基準点の確認作業を行った。その後、片側の脳に位置合わせ用マーカーを挿入・固定した。十分に固定した後、脳を摘出してホルマリン液に保存した。 一方、脳切片画像をデータベースとして活用するための技術的な検証を進めた。矢状断脳切片については、そのサイズが大きく、切片一枚あたりのデータ量が膨大になることから、できるだけデータ量が小さくなるような撮影法が好ましいと考えられた。前額断脳切片については通常使われるスライドグラスの2倍サイズのものにのせることが可能であった。ただ、今後の利用を考慮すると、いずれの脳切片画像についてもデータをかなり圧縮する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までに、メキシカンへアレスブタの脳から連続凍結切片を良好に切り出すための条件を試行錯誤の上、絞り込んだが、この条件でも連続切片を全て切り出すことはできなかった。これまで経験したトラブルを未然に防ぎ、再現性のある脳切片切り出し条件を見出すまでに、予想以上の時間を費やした。このため、当該年度に予定していた脳の前額断連続切片を切り出すまでに至らなかった。 一方、メキシカンへアレスブタを用いて、新たに脳や頭部のMRI・CT画像データ、脳地図作成用標本を追加取得するとともに、ニッスル染色した脳矢状断切片からバーチャルスライドによるデジタル画像を得るための技術的検証等を進めるなどの進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長して、当初の目標に向けた最終作業を行う。最終年度は予定より開始が遅れている脳の前額断切片作製作業を進める。ニッスル等染色を施した脳切片は、一眼レフカメラによる撮影(マクロ撮影を含む)あるいはバーチャルスライド等により、それらの画像を取得し、画像処理ソフトウエアを活用して圧縮などの処理を行う。また、脳切片画像をもとに主な神経核の名称を記載し、ミニブタ脳地図(暫定版)作成を進める。
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Causes of Carryover |
平成26年度にブタの脳から連続凍結切片を切り出し、それらを染色した上で座標を付与してデジタル画像を収録する予定であったが、信頼性のある全脳の連続切片作成法を見出すまでに予想外の長い時間を要した。そのため、データベースとして利用可能な脳切片のデジタル画像を収録するまでに至らず、そのための必要額が未使用額として残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度においては、データベースとして利用可能な脳切片作成・染色・画像収録を行う。未使用額については、脳切片作成に先立って行う前処理、脳切片作成・染色等を行う際に必要な試薬・ガラス器具類、デジタル画像収録用ハードディスクのストレージ等を購入するための費用として充当する。
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Research Products
(3 results)