2013 Fiscal Year Research-status Report
近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システムの臨床評価
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24500540
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野川 雅道 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40292445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打出 喜義 金沢大学, 大学病院, 講師 (00168709)
小川 充洋 帝京大学, 理工学部, 講師 (30322085)
田中 志信 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40242218)
山越 憲一 昭和大学, 医学部, 客員教授 (40014310)
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Keywords | 胎児血中酸素飽和度 / 光拡散理論 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
「近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システム」の臨床評価を行うにあたり,母体腹部表面から子宮内胎児に由来する微弱な光電容積信号検出システムを用いて長期計測を行う際に,光源の発光強度を十分保ちながら,発熱量を抑える必要が出てきたことから,①発熱量が少ないとされる有機EL(可視光)を光源としたシステム,②従来までの高輝度近赤外LEDの前面にコールドフィルタ(赤外カットフィルタ)を取り付けたシステムの評価を行った.その結果,両者とも光源表面の温度推移は,約30℃程度となり長期的に使用する場合,火傷などの問題を低減することできると考えられた. また,前年度までの研究過程で明らかになった胎児血中酸素飽和度の予測値が10~20%程度高値となる問題についても,光拡散理論に基づく有限要素法解析による多層モデル(単純な母体腹部・児頭モデル)において,母体・胎児別に血中酸素飽和度を求める複数の校正曲線を作成することにより改善された.今後,臨床評価を推進し,本システム全体のさらなる改良を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究過程で明らかになった胎児血中酸素飽和度の予測値が10~20%程度高値となる問題について(健常な胎児血中酸素飽和度値:60~70%),光拡散理論に基づく有限要素法解析による多層モデル(単純な母体腹部・児頭モデル)において,母体・胎児別に血中酸素飽和度を予測する複数の校正曲線を作成することによって改善できたことは,本システムの研究開発過程において重要な改善点となった. さらなる予測精度向上のため,光拡散理論に比べて理論的な計算精度が高いとされるモンテカルロ法を用いたパルスオキシメトリモデルを作成し,指尖部のパルスオキシメータに用いられる採血実験で得られる校正曲線と同一な曲線を理論的に作成することが可能となったことから(学会発表資料),モンテカルロ法に基づく胎児血中酸素飽和度予測モデルの開発を試みたが,本システムで使用する光源-受光間距離が100㎜を超えるモデルでは,モンテカルロ法にて発生する統計ノイズのために予測が困難であることが判明した.このため,現在,統計ノイズの発生の無い輸送理論(高次光拡散理論)に基づく胎児血中酸素飽和度予測モデルの開発を行っている. ただし,本システムの可搬性・インターフェースに関しては,十分な対応がなされていないため,使い易さの向上を図る必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得られた結果に基づき,①臨床評価を実施しやすくするための微弱光検出システムの可搬性・インターフェースなどの改良,②理論的校正モデルの高精度化を行いながら,近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システムとしての有用性の確認を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本計測システムの研究開発過程において,本年度実施予定であった臨床評価を行うための可搬性・インターフェースの改良に関して十分な対応が出来ないところがあったため使用する資材の購入が進まなかったことなどから次年度に使用額が生じることとなった. 次年度の早い段階で,本計測システムの可搬性・インターフェースの改良を進めることとする.
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Research Products
(1 results)