2014 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システムの臨床評価
Project/Area Number |
24500540
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野川 雅道 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40292445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打出 喜義 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00168709)
小川 充洋 帝京大学, 理工学部, 講師 (30322085)
田中 志信 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40242218)
山越 憲一 昭和大学, 医学部, 客員教授 (40014310)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胎児血中酸素飽和度 / パルスオキシメータ / 放射輸送方程式 / 光拡散方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
「近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システム」の臨床評価にあたり,母体腹部表面から子宮内胎児に由来する微弱な光電容積信号検出-胎児血中酸素飽和度計測システムの改良を行った.子宮内胎児機能を評価するために着目した主な非侵襲計測パラメータは,胎児の血中酸素飽和度である. 現在までに,光散乱理論として,放射輸送方程式(または光拡散方程式)を適用した妊婦腹部を模擬した数値解析のメッシュモデルにおいて,正常値から低酸素状態の血中酸素飽和度に対する光学特性を測定対象組織に設定し,その光伝播解析により得られる入射光-検出光強度の関係を用いて,子宮内胎児の光電容積信号(波長:750/830nm)から血中酸素飽和度を求める校正曲線を,低酸素負荷時の採血試験などの負荷を被験者に与えることなく理論的に導出できることを確認した.ここで理論的に得られる校正曲線は,母体・胎児用の2種類であり,実際の妊婦腹部表面から得られた光電容積信号を分離して得られるそれぞれの血中酸素飽和度は生理学的な正常値(母体:98%前後,胎児:60~70%前後)を示した. このことから,①近赤外光による深部計測が可能であることを示しただけではなく,②光散乱理論を用いた測定システムの理論的校正により,被験者に対して低酸素負荷などの試験を必要としない「ヒトに易しい」非侵襲測定法の開発手段を提供することが可能であることが確認された.
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Research Products
(2 results)