2012 Fiscal Year Research-status Report
収縮中後期僧帽弁逸脱における左室・僧帽弁連関(乳頭筋の異常上方運動)の役割
Project/Area Number |
24500562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 正明 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30236434)
芳谷 英俊 産業医科大学, 医学部, 助教 (30351894)
春木 伸彦 産業医科大学, 医学部, 助教 (70469394)
桑木 恒 産業医科大学, 医学部, 修練指導医 (80623868)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 僧帽弁逸脱 |
Research Abstract |
(背景) 僧帽弁逸脱(以下MVP)では、弁尖・腱索組織が延長し、収縮期に弁尖が左房内に入り込み逆流を出現させる。MVPには全収縮期に出現するものと収縮中後期に出現るが、これらのき機序は未だ解明されていない。本研究の仮説は「全収縮期MVPにおいて僧帽弁輪から乳頭筋先端までの距離は収縮早期から後期にかけて一定に保たれるが、収縮中後期MVPにおいては乳頭筋先端が収縮期に僧帽弁輪方向(上方)へ異常に移動し、収縮中後期MVPに合致した運動を呈する。」である。 (方法) 年齢および性別をマッチさせた健常対照者15名、全収縮期MVP10例および収縮中後期MVP15例において定量的心エコー図解析(組織トラッキングを含む)を行った。 (結果)1)僧帽弁接合位置は、健常対照者でも全収縮期MVPでも同様に、収縮早期から収縮後期にかけて左心房方向へ僅かに移動したが、収縮中後期MVP例においてはこの移動が有意に増大していた(p<0.01)。2)乳頭筋基部および先端の位置は、健常対照者でも全収縮期MVPでも同様に、収縮早期から収縮後期にかけて左心房方向へ僅かに移動したが、収縮中後期MVP例においてはこの移動が有意に増大していた(p<0.01)。3)乳頭筋基部・先端間距離は、健常対照者でも全収縮期MVPでも同様に、収縮早期から収縮後期にかけて12%前後短縮(収縮)したが、収縮中後期MVP例においてはこの短縮(収縮)が有意に減少していた(p<0.01)。 (結論)収縮中後期MVP例では、弁下部乳頭筋が収縮期に異常に上方へ(僧帽弁に向かって)移動し、乳頭筋収縮(短縮)も有意に減弱しており、これらが収縮中後期MVPの機序となっている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数は目標に届いていないが、仮説を支持する結果がすでに得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は症例数が目標に届いていない点を除けると、順調に来ていると考えます。症例数を目標(全収縮期MVP20例・収縮中期MVP15例および健常対照者20名)まで増やす。そして研究論文をまとめることが今後の方針です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究は症例数が目標に届いていない点を除けると、順調に来ていると考えます。症例数を目標(全収縮期MVP20例・収縮中期MVP15例および健常対照者20名)まで増やす。そして研究論文をまとめることが次年度の方針でもあります。症例数が目標に達していない理由の一つは、組織トラッキングに適した良好な画像を持った症例が少なかったことです。次年度には達成できると考えています。 学会発表や画像を集める費用が、症例不足で予定より少なくなり、繰越金が生じました。次年度には達成出来ると考えています。
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Research Products
(1 results)