2013 Fiscal Year Research-status Report
三次元動作解析システムによる強制吸気・呼気時の胸郭運動評価
Project/Area Number |
24500613
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
花山 耕三 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80189589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正門 由久 東海大学, 医学部, 教授 (10173733)
児玉 三彦 東海大学, 医学部, 講師 (90317777)
笠原 隆 東海大学, 医学部, 講師 (00366014)
青野 宏治 東海大学, 医学部, 助教 (30459416)
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Keywords | 呼吸リハビリテーション / 三次元動作解析システム / 胸郭運動 / 排痰補助装置 |
Research Abstract |
本研究は、機器による強制吸気・呼気をはじめとするそれぞれの手技を三次元動作解析システムを用いて評価することにより、最終的に有効な呼吸リハビリテーションにつなげることを目的とする。平成25年度は、前年度に確立された実験系を使用して、健常者20名を対象に、仰臥位とセミファウラー位で、排痰補助装置を使用した強制吸気・呼気時の上部胸郭、下部胸郭、腹部のそれぞれの体積変化について検討した。セミファウラー位では、仰臥位に比べ強制吸気・呼気時の体積変化が少なく、仰臥位では±30cmH2Oより高い圧で被験者の自力での深呼吸より体積変化が大きくなったのに対し、セミファウラー位では自力での深呼吸を強制吸気・呼気でこえることはできなかった。一方、同時に測定した換気量は、2つの体位での差異は認められず、静脈還流量など他の要因の関与が推察された。 さらに、排痰補助装置を使用する代表的疾患である筋ジストロフィー患者4例において排痰補助装置使用時の体積変化について検討した。筋ジストロフィー患者においては、吸気・呼気圧が±20cmH2Oであっても、最大吸気時の体積は全体積およびすべての区域の体積が随意時にくらべ増大した。健常者においては±20cmH2Oでは上部胸郭の体積変化はみられなかったが、筋ジストロフィー患者では増大した。 以上に関しては、関連した学会において2題の発表を行い、次年度に2題の発表を予定している。疾患についてはまだ少数例であり、今後症例を重ねて検討を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常者については本年度の実験で一定の成果を得たが、代表者の異動もあり、疾患群の症例が予定より集まらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた気管挿管患者等急性期患者での検討は難しい状況であり、今後は慢性期の神経筋疾患、脊髄損傷の症例を対象に実験を継続する予定である。該当する症例が得られる施設においてシステムを構築する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の異動、実験計画の遅れにより、消耗品費が少なかったこと、学会参加をとりやめたことなどによる。 慢性期疾患対象の施設における実験システム構築を進めるための備品、消耗品購入、ならびに情報収集、成果発表のための学会参加に使用する予定である。
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