2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500684
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
加茂 美冬 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (30224702)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動単位 / 筋力調節 / 頻度変調 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
随意的に最大下の一定筋力を調節するとき,個々の運動単位の活動(放電様式)は同じではなく,多様性を示すことが報告されている.本研究では,合目的性および発現のメカニズムを理解するために,多様性が発現する条件を探ろうとした.そこで,ヒト随意筋力発揮において運動単位(運動ニューロン)への入出力をコントロールする2つの実験課題を計画した. H25年度までに行った実験課題1「運動ニューロンへの興奮入力勾配が,続く一定筋力保持課題中の放電頻度変化パターンに及ぼす影響」からは,運動単位は興奮入力勾配に依存し異なる放電パターンを示すが30秒以内にその差異は消失することがわかった. 最終年度であるH26年度は,実験課題2「単一運動ニューロンの出力(放電頻度)を一定に保ったときの他の運動ニューロンの出力の変化」に取り組んだ.等尺性膝関節伸展を行い内側広筋および外側広筋から単一運動単位の活動電位を表面電極法にて導出した.一つの運動単位の放電頻度をリアルタイムにPCディスプレーに表示することで被験者にフィードバックし頻度を一定に調節させた.このとき,他の運動単位の活動を放電頻度および表面筋電位から観察した.その結果,最大筋力の約10%で活動する運動単位では10Hz以上の頻度を随意的に一定に調節し続けることは困難であることがわかった.また,頻度を8Hzで調節し続けるとき,初期30秒間は他の運動単位の放電頻度は一定ではない場合が観察され,4分以降では表面筋電位の増大が観察された. 実験課題1,2から得られた結果は,一定筋力調節時に見られる運動単位放電様式の多様性が,個々の運動ニューロンの固有の特性の影響を強く受けるという考えを否定しないものであった.
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