2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500762
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松岡 宏高 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (10367914)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | professional sports / social impact / hometown |
Outline of Annual Research Achievements |
見るスポーツの社会的価値を明らかにする研究の3年目の本年度は、次の2つのことに取り組んだ。 まず、昨年度に行った、見るスポーツを提供するプロスポーツ組織(球団・クラブ)のホームタウンの住民を対象としたインターネット調査の分析結果について、世界スポーツマネジメント学会において口頭発表を行った。その概要は、地元のプロスポーツ組織のホームゲーム観戦経験がある者のほうが、地域愛着度およびソーシャル・キャピタルの測定値が高かったということであった。 次に、見るスポーツを提供するプロスポーツ組織の地域における価値を測定するために、新しくプロスポーツ組織が誕生した地域の住民を対象としたインターネット調査の実施に取り組んだ。これは、新しくプロスポーツ組織が誕生したことによる価値を時系列的に測定し、分析する計画であり、昨年度に実施した「その変化が想定される事前の調査」に続いて、本年度は「その変化が想定される事後の調査」を実施した。昨年度の調査でその信頼性が確認された尺度には、ソーシャル・キャピタル、地域社会所属意識、幸福、そしてヒューマン・キャピタルの4要因(各3項目で測定)が含まれた。昨年度の調査で回答が得られた1,878部のうち、その10か月後に実施された本年度のインターネット調査でも回答が得られたのは1,208部であり、これが「変化が想定される前後」での比較分析の対象となった。上記の4要因のうち、3要因において新規プロスポーツの活動の前後の測定値において、統計的な有意差が確認され、いずれも活動後の値のほうが高いことが確認された。その3要因は、ソーシャル・キャピタル(前:4.16、後:4.22)、幸福(前:3.95、後:4.02)、そしてヒューマン・キャピタル(前:3.89、後:3.98)であった。この結果から、新たに誕生したプロスポーツが地域住民の意識に影響を与える可能性が示唆された。
|