2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
吉塚 一典 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (10220691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 臣二 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (10228538)
縄田 亮太 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 助教 (60551281)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鼓膜温 / 熱中症 |
Research Abstract |
平成24年度は、暑熱環境下における運動中の帽子着用の影響についての実験、および来年度実施予定の水かけ実験時の水温に関する予備実験を実施した。 実験は7月28,29日に、佐世保高専の陸上グラウンドで実施した。被験者は陸上競技部員8名とし、400m×10本のインターバルトレーニング中に帽子を着用した場合と着用しなかった場合の各種指標を測定し,比較,検討をおこなった。 その結果、帽子の有無による鼓膜温、体表面温、HR、鼓膜温など生理的指標への有意な差はみられなかった。一方,暑さ感覚やRPEについては帽子を着用した方が選手は暑さやきつさをより強く感じている傾向がみられた。先行研究でも、輻射熱環境下で長袖シャツを着用した際の体温を調べ、効果が無かったことが報告されている。長袖シャツや帽子で身体や頭部を覆うことにより、外部からの輻射熱を防ぐメリットと、逆に気流が減少し気化熱量が小さくなるデメリットの両者が生じ、そのバランスが体温に影響することが考えられる。 今回の結果から,暑熱環境下で長距離走を行う場合,帽子を着用しても体温の上昇を軽減できず,逆に選手は暑さやきつさをより強く感じている傾向が示唆された。本結果は,オリンピックや世界選手権など高温下マラソンでのこれまでの暑熱対策に一石を投じるものにつながるかも知れない。 また,今回の実験では,来年度実施予定の頭部への水かけ研究の予備実験も同時に実施した。その結果,水温10℃が最も好評で,20℃は少しぬるい,5℃は冷た過ぎるという感想が多く見られた。今回の被験者の感想を基に,25年度の実験時の水温を数種類準備し,生理学的データの測定を実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度の研究は、おおむね順調に進んだ。本研究は、屋外でのフィールド研究が主であるため天候の影響を受けるが、1年目は天候に恵まれ、ほぼ同様な暑熱環境下で予定通り1つの実験を完了できた。また、実験に必要な物品の準備,被験者や検者の確保も予定通り進んだ。 なお,当初予定した研究計画の変更も行った。1年目に実施予定であった水かけの実験と2年目の帽子の実験を入れ替えた点である。この変更は水かけ実験の水温の予備実験を行う為のものであり,研究全体の進度としては,ほぼ予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は,水かけに最適な水温に関する実験を実施予定である。水かけによって体温の上昇が抑制されることは報告されているが,その水温や水量、タイミングについては、研究者によって異なっている。 本研究では、5000mレースを想定した場合に最も効果的な水かけの方法について研究する。数種類のタイミングで、水かけ(水温や水量を変化させて)を行い、鼓膜温を中心とした諸指標への影響を詳細に調べる計画である。 研究遂行上の問題点が2つあり,①研究代表者が寮務主事を務めねばならなくなったこと,②被験者となる本校陸上部の部員数減である。 ①は,研究分担者を1名増やしデータ処理や分析等を分担することで対応し,出来るだけ研究の遅延がないようにしたい。 ②は,他高専もしくは近隣の高校,大学等に協力を要請し,被験者数を確保する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度、未使用額が生じたのは、サーモグラフィが予定より安価で購入出来たこと、実験の順序を入れ替えたこと、追加分担者への分担金確保が主な理由である。 次年度は、本研究の中心的実験を進める計画である。被験者の学内確保が難しくなるため、謝金等の支出を当初より増やして、外部からの確保を進める計画である。
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