2013 Fiscal Year Research-status Report
インパルス様運動後の回復時の換気調節におけるCO2の役割
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24500782
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 徳郎 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80200559)
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Keywords | 肺換気量 / 血液pH / 動脈血化Pco2 / インパルス様運動 |
Research Abstract |
インパルス様運動後の回復期の肺換気動態を明らかにするために、被験者は一回のインパルス様運動(1-impulse)と五回繰り返すインパルス様運動(5-impulse)を行った。インパルス様運動の持続時間と運動強度はそれぞれ20秒、400ワット(80rpm)であった。血液サンプルを運動開始前と回復時の1、5、10、15、30、60分時にとった。血液乳酸は1-impulse時では回復期5分時に3.57mMまで上昇した。5-impulseでは回復期5分時に5.45mMまで上昇した。この血液乳酸は徐々に低下して、安静時に戻った。酸素摂取量は乳酸値の相違にもかかわらず、有意な相違は両負荷時で認められなかった。K+は両負荷時では有意な差はなかった。血液O2分圧は両負荷時で有意な差は認められなかった。血液pHは回復時の10分まで5-impulseにおいて、1-inpulseより有意に低い値であったけれども、肺換気量は回復期の最初の30秒を除いて(5-impulseが高い値を示した)、回復期を通じて同等の値であった。血液CO2分圧(Pco2)は1-impulseにおいて、回復時の1分値では運動前より有意に高い値であったが、5分時では運動前値へ回復していた。5-impulseではPco2の回復1分時は運動前値と同等であったが、回復期5分時まで運動前値より低い値であった。すなわち、Pco2の回復値は30分時まで1-impulseより5-impulseの方が有意に低い値であった。回復期の肺換気とpHは曲線的関係を示した。同一pH上では1-implseの肺換気量は高い値を示した。これらの結果は肺換気動態がインパルス様運動の回復時に部分的にpHに関係し、しかし、この低いpHの刺激効果は低いPco2の抑制的効果で減少すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は予測していた肺換気量、Pco2,pHの結果と実測した結果がうまく一致した。肺換気量がpHとPco2の両方に関係することを明らかにした。また、インパルス様運動の回復時は血液乳酸値に示すように繰り返し回数を増やすと増加した。しかし、酸素摂取量は繰り返しの回数に関係なく、同じであった。この結果は、予期しないものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は予定どうりに、pHが変化しない軽いインパルス様運動を用いて、Pco2の肺換気への影響を検討する。
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