2014 Fiscal Year Annual Research Report
海馬神経新生増進のための最適運動時間帯の決定と運動効果を修飾する栄養環境の解明
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24500794
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
松本 直幸 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00252726)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経新生 / 海馬 / 運動 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化が進む現代社会では医療費の高騰や介護の問題に関心が高まり、その解決のために、予防医学的見地から運動の有効性が広く認知されるようになってきた。近年、運動は認知機能低下を招く遠因となる高血圧やインスリン抵抗性の改善などに関与し、さらに神経新生を介して脳の健康に必須の関与をすることが明らかとなってきた。しかし、運動の最適条件や運動の効果を修飾する栄養状態などとの相互作用についての知見が圧倒的に不足している。本研究は海馬における神経新生を指標として、認知機能向上に最適な運動・栄養条件について検証することを目的として実施した。 8週齢のWister系雄性ラットを飼育室環境に7日間順化させた後、自由運動群(n = 4)と対照群(n = 6)に無作為に分類した。運動群では常時、回転ホイールに自由にアクセスさせた。21日間の運動群の平均走行距離は1,609 ± 1,562 m/day(平均±標準偏差)であった。21日目にY字および高架式十字迷路を用いて、両群の自発的交替行動(短期記憶の指標)および不安傾向をそれぞれ測定した。迷路試験直後にBrdU(150 mg/kg)を腹腔注射し、24時間後に4%パラホルムアルデヒドにて灌流固定後脳を摘出した。40μmの薄切切片を作成し、免疫組織化学的に海馬における新生細胞を同定した。免疫染色がうまくいかなかった例もあり、サンプル数が少ない影響もあると思われるが、現在のところ運動の有無による短期記憶能力や不安傾向に差は認められていない。海馬の新生細胞数においても有意な差は認められていない。
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Research Products
(5 results)