2013 Fiscal Year Research-status Report
低学年児童の基礎活動力を高める転倒予防マットレスの開発と運動プログラムへの適用
Project/Area Number |
24500822
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
松浦 和代 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10161928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 哲夫 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10433129)
吉川 由希子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (50269180)
三上 智子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70452993)
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Keywords | 安全教育 / 基礎活動力 / 転倒予防 / マットレス / 小学校低学年 |
Research Abstract |
報告1 小学校における運動プログラムの実践 目的:小学校低学年児童の脚力・反射神経・バランス感覚等の基礎活動力の強化をねらいとした、転倒予防マットレスを開発し、運動プログラムを教科体育時間前の準備体操に導入してきた。本研究の目的は、運動プログラム導入後の基礎活動力の変化を、集団指標及び個人指標を用いて評価した。研究方法:対象:A小学校1年生児童130名。方法:転倒の予示指標として、①片足立ち測定 ②握力測定 ③反応時間測定 ④前報リーチ測定の4項目を測定した。4指標の計測は、運動プログラム導入後7か月後と11か月後に実施した。結果:1)対象の属性 対象児童の内訳は、男子57名(46.7%)女子65名(53.3%)であった。事故の有無は、7か月後では、事故有群51名(41.8%)、事故無群71名(58.2%)、11か月後では事故有群9名(7.4%)、事故無群113名(92.6%)であった。2)導入7か月後と11か月後の性別比較 導入7か月後に比べて11か月後は、左右の握力、反応時間、前方リーチにおいて有意差(p<0.01)がみられた。片足立ちでは、右足で有意(p<0.01)に保持時間が長くなった。考察:導入7か月後と11か月後の比較運動プログラム導入後7か月後に比べて11か月後では、4指標すべてに有意差があったことから、基礎活動力は向上していることが示唆された。今後は対象校を増やし、ひきつづき4項目の測定値の推移を把握し、運動プログラムの有用性を確認していく。 報告2 転倒予防マットレスの改良と製作 研究協力校の運動プログラム担当者より、転倒予防マットレスの使いやすさを増すために改良の要望があが出された。そこで、現単体型を、5枚1セットの連続型にデザインし、製作した。安全性に関する被験者実験を行い、H26から使用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では改良版の作成は予定していなかったが、協力校からの意見で、転倒予防マットレスの改良を行い、5枚1セット(連続型)をデザインし製品化した。そのため、当初の計画より遅れを生じた。しかし、使用しやすさと安全性を確認することは重要と考え、性能テストを実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
H26は札幌市内の協力校が2校となる。これまでの1校に加えて、校舎新築工事を控えた1校である。引き続き、運動プログラムの実施と評価を継続する。また、転倒予防マットレスは5枚1セット連続型に切り替える。。 H24全国体力テストの結果、北海道の小学5年生男女および中学2年生女子は47都道府県中最下位であったことから、地域を挙げた低学年からの基礎体力向上の取り組みや冬季の運動量の確保などが喫緊の課題とされている。そうした視点からも、本研究の結果を地域へ還元する必要性があると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
転倒予防マットレスの改良のため、新たな研究協力校への運動プログラムの導入が遅れたため。 研究協力校を札幌市内2校とし、運動プログラムに改良製作した5枚1セット連続型の作成に使用する。
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