2014 Fiscal Year Annual Research Report
低学年児童の基礎活動力を高める転倒予防マットレスの開発と運動プログラムへの適用
Project/Area Number |
24500822
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
松浦 和代 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10161928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 哲夫 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10433129)
吉川 由希子 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (50269180)
三上 智子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70452993)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転倒予防マットレス / 運動プログラム / 低学年児童 / 安全教育 / 基礎活動力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.転倒予防マットレスの開発と仕様:転倒予防マットレスは、低学年児童の身体的特徴を考慮し、1辺が43cmの正方形で、平面型・低反発型・傾斜型・ピラミッド型・ビーズ型の5種類を製作した。 2.方法:A小学校において2011年4月から低学年児童を対象に転倒予防マットレスによる運動プラグラムを導入し、2014年3月まで使用した。導入から6か月間は体育館や玄関ホールに設置し、児童に自由使用してもらった。その後7~16か月の間は、自由使用に加えて、教科体育の準備体操として毎回約10分間使用した。5種類1セットを体育館の4角に2セットずつ (計8セット)配置し、学級担任の教示に従い、転倒予防マットレスの上を歩く、軽く走る等の準備運動を実施した。また、2015年度から校舎新築予定のB小学校低学年児童を対象に同様の運動プラグラムを導入した。 3.転倒予防マットレス導入前後の基礎活動力の変化:転倒の予示指標は、①左右の握力、②左右の片足立ち、③反応時間、④前方リーチの4項目とし、経時的変化(導入時、4か月目、12か月目、16か月目)を調査した。A小学校では導入時に比較して16か月目では、①・②・④の測定値が有意に上昇した(各p<0.01)。③は導入時に比べて16か月目で有意に短くなった(p<0.01)。また、学校管理下の活動における受傷の月別発生件数をみると、7か月目以降は徐々に減少した。現在、北海道内の子どもの体力は全国最低水準にある。この問題は、文部科学省の全国体力テストを北海道が初めて実施した2008年度以降2014年度(最新値)まで一貫して指摘され、児童の体力向上に向けた今後の取り組みが課題となっている。その一助として、転倒予防マットレスは低学年児童の外傷予防だけでなく、基礎体力向上にも有効な教具として活用可能と考える。
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