2012 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域高齢者へのヘルスプロモーション活動としての水中運動の有効性に関する研究
Project/Area Number |
24500825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, その他 (50020839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
渡辺 みどり 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60293479)
千葉 真弓 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (20336621)
細田 江美 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10290123)
宮越 幸代 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00269565)
中畑 千夏子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (60438174)
酒井 久美子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (90347378)
藤原 聡子 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00285967)
山田 裕子(御子柴裕子) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (00315847)
池上 千賀子(曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (40336623)
松澤 有夏 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30436894)
森野 貴輝 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (00586969)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者 / ヘルスプロモーション / 水中運動 / 中山間地域 / 生活習慣病予防 / 骨密度 / 有酸素運動 / 健脚度 |
Research Abstract |
1 平成24年度には水中運動講座を月3回、計36日間開催した。平均の講座参加者数は、1クラス開催の場合(月1回)30名、3クラス開催の場合(月2回)70数名であった。 2 長野県看護大学が開学して間もなく室内温水プールが作られ(平成11年)、以来14年に亘り継続してきた高齢者水中運動教室で蓄積された諸データのコード化とパソコン入力は細田、太田を中心としてかなりの程度進行し、このデータに基づいて細田らにより論文作成を行った。 3 これまでの諸データ見直しの中で、新たに収集すべきデータについて検討し、以下の四点につき新たな展開が見られた。 ①年1回実施している骨密度測定会でアンケート調査を行っているがその項目に具体的な健康状態を明確にする項目を付け加えた。 ②重心動揺計を購入し、水中運動実施前と実施後での身体バランス感覚の変化についての検討を開始した。 ③心拍計を購入し、同じく運動前後の心拍についての計測を開始した。 ④筋力計を購入し、毎年実施する骨密度測定会において計測を開始した。 4 講座参加者の自宅からインターネット経由で当該データベースにアクセス出来るようなシステム開発が目的の一つになっており、今回聞き取り調査を実施した処、自宅でインターネットを使用する高齢者がほぼ皆無であった為、今後は紙媒体によるシステム構築を行ってゆく。 5 10年以上本講座に参加している高齢者は20名近くおり、その方々への面接聞き取り調査を開始した。本研究の講座参加者には、他の研究プロジェクトからのアプローチも行われており、また本学の老年看護学生実習のフィールドとしても使用されているので、これらのグループとの共同作業をいかに展開してゆくかが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14年に亘り、大学で高齢者水中運動教室を継続開催している例は他にはなく、これを大学の事業として、かつ大学が地域に対して発信してゆくヘルスプロモーションメッセージとして、今後とも持続発展させてゆくことが我々の使命と考える。特に中山間地域(過疎地)における健康資源開発活動としての意義は大きい。従って、この1年間科学研究費の助成によりこの活動が更に多面的な展開を見せたことで、本研究は、おおむね順調に進展しているととらえることが出来よう。 「中山間地域高齢者へのヘルスプロモーション活動としての水中運動の有効性に関する研究」のタイトルにあるように、「有効性」の検討、という観点では、「継続出来ている」、「参加者数が常時70名を超えている」という面だけでなく、参加者個々人に対する肉体的精神的社会的側面からの様々な指標を用いた検討が必要で、新たにアンケート項目を加えたこと、新たな機器の導入により測定指標を増やしたことなど、本年度の成果はいくつか数えられるが、反面、特定の研究従事者への過剰な負担や研究推進の為の総合的討論の不足など、多くの課題が山積していることも事実である。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者水中運動の15年目の完璧な継続がまず第一に挙げられる。その為に、毎回の講座開催をよりシステマティックにまた研究者と参加者双方の負担を少なくして、かつ安全面の配慮を怠らずに実施してゆく努力が必要である。そして毎回蓄積される参加者のデータを参加者自身に返してゆくために、インターネット利用以外の方策として年2回程度の各人への「お知らせ」システムを立ち上げてゆくことが考えられる。そのためにも、従来の諸データの見直しと新たに収集すべきデータの検討を継続してゆくことは必須である。 本学の他の研究プロジェクトにおいても本講座参加者を対象としているものがあり、それらとの共同作業の構築も今後の課題として挙げられる。その中で、本講座参加者を核とした、地域と大学とのネットワークを構築することにより、本学の研究・教育に地域住民の参加協力を推し進め、かつ不測の事態例えば災害時の機能的な対応方策を設立するなどの課題を推進出来ると考える。 そのためには、長期にわたり本講座に参加してくれている高齢者の方々は本学の財産ともいえる人たちであり、可能な限り密な聞き取り調査を実施し、また大学の各種行事への講座参加者の協力を呼び掛けてゆくことも重要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1 高齢者水中運動参加者の体力・体位の測定の為に次の機器の購入を考えている。 ①4点式体脂肪計(これまでは2点式の機器で測定していた。) ②脚筋力計(現在1台所有しているが、さらに多くの人々の測定を実施するために) 2 各種学会、研究会等への発表を更に多く行ってゆく。
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Research Products
(4 results)