2014 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病の病勢や発症の危険性を超音波の新技術により画像的・定量的に評価する試み
Project/Area Number |
24500866
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岸野 智則 杏林大学, 保健学部, 教授 (20343478)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
大西 宏明 杏林大学, 医学部, 准教授 (80291326)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 超音波 / 生活習慣病 / 脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度 これまでの実施状況報告のように、「生活習慣病患者における病勢把握に対する超音波による画像的・定量的評価法の確立」に向け、その基礎データとなる「血中脂肪酸組成変化と血液生化学検査値との相関性」を報告し(第59回日本臨床検査医学会学術集会、京都、平成24年)、「各種脂肪組織に対する超音波検査法の比較」した(第60回日本臨床検査医学会学術集会、神戸、平成25年)。 これら基礎検討を基に、平成24~26年度にかけて、生活習慣病における腹部脂肪および肝臓の慢性炎症の程度についてVTTQ法による超音波画像の定量を試みたが、期待したような相関性を得ることはできなかった。このため、申請時に「計画通りに進まない時の対応」として予定し、同時進行していた、「生活習慣病における心外膜下脂肪の超音波画像解析」の研究を推し進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように、研究の方向性は追加検討項目として予定していた「心外膜下脂肪」の評価となっているが、当初期待していた以上の結果が得られている。「生活習慣病における心外膜下脂肪の超音波画像解析」では、その計測値と早期心収縮能低下が有意に相関することを明らかにし、上記の2報告とともに報告した(第60回日本臨床検査医学会学術集会、神戸、平成25年)。 同結果は、英文誌「Heart Vessels」にも掲載が予定されている。 Watanabe K,Kishino T,Sano J,Ariga T,Okuyama S,Mori H,Matsushima S,Ohtsuka K,Ohnishi H,Watanabe T: Relationship between epicardial adipose tissue thickness and early impairment of left ventricular systolic function in patients with preserved ejection fraction. Heart Vessels (2015 in press) DOI: 10.1007/s00380-015-0650-8 その後、心外膜下脂肪の外側に存在する、より生理活性の高い「心外膜脂肪との関連性」も明らかにし、第62回日本臨床検査医学会学術集会(岐阜、平成27年)にて報告予定である。同結果は、論文として上記ジャーナルへ再度投稿を予定している。 更に、同時評価している血中脂肪酸組成変化や各種炎症マーカーとの関連性について、現在解析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 最終年度(平成26年度)までに科研費の未使用額が生じたが、平成27年度は1年間の延長申請を承認いただいたため、本方向性を更に追究し、これまで以上の成果を得ることを期待している。 (次年度の研究費の使用計画) 当初、腹部脂肪および肝臓で予定していた炎症マーカーなどの解析を今後追加し、生活習慣病における慢性炎症と心外膜下脂肪の関連性を更に明らかにする。延長いただいた残り1年間はこれらに経費を充てる予定であり、学会・論文報告への支出も予定している。
|
Causes of Carryover |
平成24~26年度にかけて、生活習慣病における腹部脂肪および肝臓の慢性炎症の程度を超音波画像から定量し、平成25、26年度には学会報告および論文報告を行う予定であった。しかし、期待したような相関性を得られなかった。このため、申請時に「計画通りに進まない時の対応」として予定し、同時進行していた、生活習慣病における心外膜下脂肪の超音波画像所見と慢性炎症の解析に対して、予算額を重点的に充てるべきではないかと考え、最終年度に未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在まだ予備段階ではあるが、上記の同時検討では、興味深い相関性が明らかとなっている。同結果は、平成25年度に日本臨床検査医学会学術集会にて報告し、現在は英文誌に論文として投稿中である。当初、腹部脂肪および肝臓で予定していた炎症マーカーなどの検討を今後追加し、生活習慣病における慢性炎症と心外膜下脂肪の関連性を更に明らかにするため、最終年度の未使用額はその経費に充てることとしたい。
|
Research Products
(1 results)