2013 Fiscal Year Research-status Report
高血圧患者および一般住民を対象とした食塩摂取量評価法の確立
Project/Area Number |
24500884
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
土橋 卓也 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (30163827)
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Keywords | 高血圧 / 食塩 / 生活習慣 / 質問票 |
Research Abstract |
1)外来高血圧患者における食塩摂取量の評価:各種評価法による検討 外来高血圧患者を対象として、BDHQ、24時間家庭蓄尿、随時尿による食塩摂取量の各評価の相互関連性について評価を行った。その結果、24時間家庭蓄尿による実測値をgold standardとした場合、BDHQ、随時尿による推定値との関係は各々r=0.3-0.4程度の相関を認めた。したがって、最も簡便で、かつ反復して評価可能な随時尿による評価が実地診療での使用に適していると考えられた。また186名を対象として平均7.7年の観察期間中に10回施行した24時間家庭蓄尿の結果、食塩排泄量の変動性は約30%であり、少数回の評価で個人の長期的食塩摂取量を評価することは困難と考えられた。食事内容に基づく調査であるBDHQは、記載や推定値の評価に時間を要する。そこで、13項目の質問内容から簡便に食塩摂取量を推定する「塩分チェックシート」を開発した。このスコアは随時尿から推定した食塩排泄量と一定の相関が得られ、妥当性が検証されたことから、外来や健診の場などで食塩摂取量のスクリーニングや減塩指導のツールとして利用可能と考えられた。 2)地域住民における食塩摂取量の評価:介入効果の指標としての有用性の検討 離島住民に対してBDHQと随時尿を用いた食塩摂取量の評価を行い、高血圧と減塩に関する啓発活動を行った上で、1年後に同様の評価を実施し、介入効果を検討した。その結果、対象者217名の中で、血圧値140/90mmHg未満達成者は、開始時の42.4%から1年後に51.6%へと増加した。一方、随時尿から推定した食塩排泄量は、開始時の平均9.3g/日から1年後の9.1g/日とわずかな減少にとどまったことから、減塩手法に関して、より具体的な実践法を提示することが重要と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
外来高血圧患者と対象とした各種食塩摂取量の評価法の相互関連性に関する検討、および離島住民を対象とした食塩摂取量の評価と介入効果の検討のいずれも順調に研究が進行している。これまでの研究成果は、日本高血圧学会総会をはじめ、国内外の学会で発表するととともに、24時間蓄尿を用いた食塩摂取量の長期変動性の研究、塩分チェックシートの妥当性については、原著論文として投稿、採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
BDHQと24時間家庭蓄尿による評価の関連性についての検討、および随時尿を用いた食塩排泄量の評価を日常診療で使用するために必要な測定回数などについて検討し、成果を発表する予定である。これにより、本研究のまとめが可能と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高血圧患者を対象として随時尿を用いた食塩排泄量の測定を反復測定し、24時間蓄尿と対比しながら、実地診療で用いるのに適した回数、頻度などを評価する検討を実施するために、関連する費用を次年度も計上する必要が生じたため。 分割採尿器などの消耗品、生化学検査、統計解析、印刷費に使用する。
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Research Products
(9 results)