2014 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧患者および一般住民を対象とした食塩摂取量評価法の確立
Project/Area Number |
24500884
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
土橋 卓也 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (30163827)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高血圧 / 食塩 / 生活習慣 / 質問票 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)外来高血圧患者における食塩摂取量の評価 随時尿による1日食塩排泄量(USALT)を3回以上測定した高血圧外来患者200名(平均年齢67.3±11.4歳、女性91名、男性109名)を対象として、期間中の全USALTの平均値と変動性を調査した。その結果、平均5.6(3-15)回の測定平均値は8.62±1.96(3.53-14.08)g/日で6g未満であった者は16名(8.0%)に過ぎなかった。また、USALTの変動係数(CV)は19.0±10.2%、標準偏差(SD)は1.62±0.94 g、変動幅(range)は3.94±2.44 gであった。初回USALTと同日に測定した24時間家庭蓄尿中食塩排泄量(66名)の間にはr=0.33と有意な正相関を示し、既報と同様の結果であった。随時尿による1日食塩排泄量測定は繰り返し行うことが可能であり、減塩指導に有効と考えられる。5回以上の測定により変動性も評価可能と考えられた。随時尿を用いた食塩排泄量の評価は、簡便であり、高血圧の実臨床で有用と言える。
2)地域住民における食塩摂取量の評価 18歳以上の離島住民186名(平均年齢71.4歳、女性64.0%)を対象としてベースラインと栄養指導、高血圧に対する啓発活動を行った1年後に早朝随時尿による食塩排泄量測定と血圧測定を行った。その結果、尿中食塩排泄量は全対象者の48.1%で低下したが、平均値は9.0±2.1から9.4±1.9g/dayへと有意に上昇した(p<0.05)。一方、収縮期血圧は対象者の54.8%で低下し平均値も141±23から138±17mmHgと低下傾向であった(p=0.0528)。離島住民に対する1年間の減塩指導により尿中塩分排泄量は減少しなかったが、血圧は全対象者の半数以上で低下した。比較的短期間でも地域全体への積極的減塩指導は心血管リスク軽減に有効であることが示された。
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Research Products
(8 results)