2014 Fiscal Year Research-status Report
衰退する伝統産業と関連生活景観の観光資源化による維持・保全に関する研究
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24500911
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
藤木 庸介 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (70314557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 香 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 講師 (50510583)
向坊 恭介 立命館大学, 理工学部, 助教 (80512748)
宗本 晋作 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20581490)
平尾 和洋 立命館大学, 理工学部, 教授 (00252479)
真板 昭夫 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 教授 (80340537)
宮尾 学 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80611475)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 絞り産業 / サプライヤーシステム / 伝統工芸 / プロダクト生産 / 有松絞り / 歴史的町並み / 伝統的建造物 / 観光まちづくり |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者の一人が、懐妊・出産を行った上、2014度末まで産休を取った。当該共同研究者は昨年度実施予定であったヨーロッパを中心とした海外における日本の絞り産業(日本の伝統産業)の新たな展開に関する現地調査において、主要な役割を担う予定であった。また、海外における現地調査を、当該共同研究者抜きに行うことは適当では無いと判断した。 したがって、2014年度の調査は全面的に一端中断し、本研究を延長申請した上で(当初予定では2014年度が最終年度)、2014年度に予定していた調査はそのまま2015年度に繰り越すこととした。 尚、2014年度における研究実績としては、2013年度に実施した中国における絞り産業の実態調査結果をまとめ、これに関する論文執筆、並びに関連学会における口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に既述した様に、2014年度の研究は一端中断し2015年度に繰り越したため、達成度は2013年度末の時点とほぼ同じ状態にある。 また、2013年度における達成度については、2013年度の報告書に既述したとおりであである。 ただし、2014年度の一年間を通して、新たに研究協力を要請可能な人脈づくりなどを行ったことから、今後の研究はより有意義に進められることが見込まれる。 また、これまでにおいて継続的に協力関係を築いてきた有松地区において、重要伝統的建造物群保存地区選定へ向けた活動に顕著な進展が見られる(我々の研究成果を重伝建調査を行っている名古屋市立大学を中心とする調査チームに提供している。また継続的に住民集会に参加し、住民との意見交換等を進めている)。更に当地では、絞り技術の伝承と普及、並びに、町並み景観を活かした地域創世を目的とする特定非営利法人「コンソーシアム有松鳴海絞」の設立に向けた準備が進められており、これも我々が全面的な地域協力を行なってきたことの一つの成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度の報告書に記載し、2014年度に予定していた研究を実施する。 すなわち、有松絞りプロダクトの新たな展開、特に、ヨーロッパにおける展開に注視する。これはすなわち、新たな絞りプロダクトがモードとの関係において、どの様に位置づけられているかといった事象に関連し、①「開発経緯」②「特にヨーロッパといった海外におけるニーズとそのイメージ」③「ヨーロッパにおける絞りプロダクトのサプライヤーシステム」といった要素を明らかにすることにある。 以上から、絞りプロダクトに関するニーズの傾向を分析し、今後の絞りプロダクト生産に役立つ知見の獲得を目指す。 また、有松地区における歴史的な町並みや伝統的民家のイメージとその実態が、新たな絞りプロダクトの展開に関連することで創出される「観光地としてのイメージ」について分析と考察を行い、有松における絞り産業と伝統的な生活景観を観光資源化し、これによって維持・保全を行う為の知見の獲得を目指す。 更には、研究協力者である有松における絞り職人と共同の上、有松絞りの普及と絞り技術の伝承、並びに新たな絞りプロダクトの開発を目的としたワークショップを、有松地区現地において開催する。
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Causes of Carryover |
既述の事由により、2013年度報告に同様である。 すなわち、中国への調査渡航が、当初見込んでいた額よりも安価に行えた事による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既述の事由により、2013年度報告に同様である。 すなわち、ヨーロッパへの調査渡航に対する費用に補填する上、英文論文執筆時のネイティブチェック等への出費に使用する。
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