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2013 Fiscal Year Research-status Report

食育に還元可能な野菜のおいしさ評価の再検討と成分含有量・テクスチャーとの関連

Research Project

Project/Area Number 24500944
Research InstitutionOsaka Kyoiku University

Principal Investigator

井奥 加奈  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40243282)

Keywords野菜類 / キャベツ / テクスチャー
Research Abstract

本年度は寒玉キャベツに着目し、キャベツのテクスチャーと蒸し加熱による影響を検討した。キャベツを外葉・中葉・内葉に分け、さらに葉脈の有無で分類して破断強度を検討した。測定は10mm×50mmのキャベツを5枚重ね、クリープメータ(山電、RE-3305B)に金属板プランジャを用いて行った。その結果、葉脈がない場合は部位による破断強度解析曲線に大きな違いがみられなかったが、葉脈があると外葉>中葉>内葉の順に破断荷重が小さい傾向がみられた。また、70℃加熱することでキャベツの硬化(Firmness)が起こり、40分加熱しても破断荷重が維持された。キャベツの硬化と官能評価の関連を明らかにするために各部位の葉脈のある部分を用い、100℃5分加熱、70℃20分加熱、電子レンジ加熱30秒、生キャベツの4試料を調製して女子大学生10名にて官能評価を実施した。部位により好ましい調理法は異なり、外葉では100℃5分加熱が最も好まれた。外葉における100℃5分加熱は5段階評価で平均4.7の甘さであったことから、甘さが好ましさに影響しているのではないかと考察した。70℃で20分加熱したキャベツのかたさを目的変数、破断強度解析項目を説明変数とした重回帰分析を行ったところ、かたさは破断時厚さ、破断歪率、変化率(0から-1、-1から-2)の4項目が影響していた(R2=0.889、p<0.05)。内葉の生キャベツにおけるかたさは破断応力、弾性率、破断歪率、変化率(0から-1、-2から-3)の項目が影響していた(R2 =0.776、p=0.056)ことから、人の感じるかたさは部位によって影響する物性項目が異なるものの、物性項目からの予測が可能ではないかと推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

キャベツは農研機構内でも研究されている野菜である。今回、キャベツを用いることで、「かたさ」というヒトの主観的な感覚を破断強度解析項目で予測可能であることが判明した点は順調に進展していると考えるが、用いる手法の再検討や再現性の確認ができていないこと、パネルが少ないこと、また成分含有量に関しては着手できなかったことが完全ではないと判断するので達成度区分を(2)にした。
もう一つ、昨年度からモデルゲルによるショ糖リリース、テクスチャーと官能評価の関連についての研究は、消費者パネルの場合、甘さの尺度が個人によってかなりばらつき、パネルによっては5%ショ糖溶液でも甘くないと感じることが分かった。この状況で、同じ品質のゲルを官能評価する場合、個人差の補正は必要不可欠である。しかも、消費者パネルは分析型パネルではないため、官能評価に対する訓練もできない。それをうまくカバーしながら、個人差の補正を行うのが難しく、持越し課題となった。なお、5段階評点法よりはVAS法による評価がばらける点で評価しやすいことは突き止めた。

Strategy for Future Research Activity

1)キャベツのテクスチャーと官能評価の関連について
本年度は昨年度のキャベツデータに関して得られた結果の再現性を確認する。同時に糖含有量やペクチン含有量についても定量して、成分含有量との関連を検討する。野菜の硬化は従来から知られている現象ではあるが、硬化によるおいしさへの影響についても共分散分析で検討したい。
2)モデルゲルのショ糖リリース・テクスチャーと官能評価の関連について
キャベツにて官能評価を目的変数、物性特性を説明変数とした重回帰分析を実施したところうまく解析できたことから、モデルゲルのあまさやかたさに関しても重回帰分析か共分散分析が使えるのではないかと期待される。ショ糖リリースが、糖度計で難しい場合はRI検出器を搭載した高速液体クロマトグラフか糖含有量測定キットで検討する。キャベツと異なり学術的なモデルではあるが、大学生において、官能評価としての甘さやかたさが物性測定項目で予測できるかどうかを明らかにしたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究概要からわかるように次年度に新しく多変量解析ソフトを購入する可能性が示唆されたこと、また、キャベツの蒸し加熱に必要な熱電対の老朽化による更新(15万程度)のため次年度への予算繰り越しが妥当であると判断した。
多変量解析ソフトの購入、熱電対の購入が主たる用途であるが、成果発表のための予算にも一部使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 蒸し加熱の違いがキャベツのテクスチャーに及ぼす影響2014

    • Author(s)
      井奥加奈、高瀬珠未、岸田恵津
    • Organizer
      日本家政学会
    • Place of Presentation
      第66回大会(北九州国際会議場)
    • Year and Date
      20140524-20140525

URL: 

Published: 2015-05-28  

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