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2013 Fiscal Year Research-status Report

脳の発生および発達を制御する脂質栄養の機能解析

Research Project

Project/Area Number 24500981
Research InstitutionNayoro City University

Principal Investigator

山本 達朗  名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (90379389)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西村 直道  名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (10341679)
山本 綾子  名寄市立大学, 保健福祉学部, その他 (80414134)
Keywords脂質栄養 / 神経細胞 / グリア細胞 / 行動解析 / 細胞移動
Research Abstract

本研究は、母胎が摂取する脂質栄養の構成が胎児や乳児の脳発生および脳発達に与える影響について詳細に検討することを目的としている。
申請者は、これまで妊娠前2週間および妊娠後、さらに出産後も継続して、母ラットに対して通常食またはn-3系多価不飽和脂肪酸欠乏食を給餌し、生まれた仔の脳組織について様々な検討を行った。まず、仔の脳組織における神経細胞の移動パターンについて、妊娠期において大脳皮質ニューロンが誕生する各タイミングで新生細胞を標識するBrdUを投与し、エンドポイントを生後0日目として、解析を行った。この解析においては、それぞれの群の細胞移動のタイミングが異なることが分かった。これに加えて、同様のサンプルを用いてグリア細胞のマーカーを用いた免疫組織化学法を行い、アストロサイトやオリゴデンドロサイトのマーカーに対して陽性を示す細胞の数がn-3系多価不飽和脂肪酸欠乏食摂取ラット母胎より生じた仔において少なくなっていることを見い出した。これらの所見の一部については、第67回日本栄養・食糧学会(名古屋大学)において、口頭発表を行い、現在論文の執筆を進めているところである。
また申請者は、このような食餌組成に暴露された仔の行動パターンについて、本研究費によって購入した行動解析システムを用いて解析を進めている。これらの行動解析より得られた結果とこれまでに得ている脳内組織の変化について関係性を見極め、学会や論文発表ができるよう研究成果をまとめていきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、本家研究を通じて脳の発生や発達の側面から、胎児や乳児の健やかな成長に必要な母胎の栄養摂取に関する方向性を示すことにより、栄養学的側面から見る神経科学研究領域の基盤を構築することである。本研究では、食餌摂取が長期に及びことが想定されていたが、平成25年度までに長期に及ぶ動物飼育等は終了し、現在はそれらの飼育によって得られた様々なサンプルの免疫組織学的解析や分子生物学的な解析を進めている。ただし、当初の予定では、エレクトロポレーターを用いた遺伝子導入による細胞標識を行うことになっており、その代替手段としてBrdUを用いた誕生日標識法および免疫組織化学法を採用したため、サンプリング、薄切化、免疫反応など多くの段階が必要になった。これらを考慮するとおおむね順調という表現が適当であると考える。
また、これまで本施設における行動学的研究は、ビデオ記録を目視で確認し、数値化するという膨大な時間を必要とするものであったが、24年度に購入された行動解析システムによって、研究効率は格段に良くなり、客観的な視点からの多くの種類の行動学的解析が可能になった。このような効率よい研究の推進を重ねることによって、計画以上の成果が得られるよう努力する。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では、最終年度は行動学的解析になっており、上記に示したように、おおむね順調に研究は進んでいる。最終年度は、成果のとりまとめを急ぎ、成果の情報発信等に努めていきたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額について128315円の増額となっている理由は、免疫組織学を行うための抗体を厳選して購入した結果、購入費用を抑えることができた結果である。また、動物実験についても、マウスの飼育法を考え、適切な数量調節などを行うことにより、餌や床敷きにかかる費用を軽減することができた。
次年度繰越となった費用については、論文投稿における英文校閲やより詳細な形態学的解析を行うための顕微鏡購入の資金としたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Colonic Hydrogen Generated from Fructan Diffuses into the Abdominal Cavity and Reduce Adipose mRNA Abundance of Cytokines in Rats2013

    • Author(s)
      Naomichi Nishimura, Hiroki Tanabe, Misato Adachi, Tatsuro Yamamoto, Michihiro Fukushima
    • Journal Title

      Journal of Nutrition

      Volume: 143 (12) Pages: 1943-1949

    • DOI

      10.3945/jn.113.183004

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 慢性的な母胎n-3系多価不飽和脂肪酸の欠乏は仔の神経細胞とグリア細胞の発生に影響を与える2013

    • Author(s)
      山本達朗、山本綾子、田邊宏基、西村直道
    • Organizer
      第67回日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      20130526-20130526

URL: 

Published: 2015-05-28  

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