2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500994
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
保坂 利男 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60403698)
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Keywords | glut4 / 細胞骨格 / 脂肪酸 / トランスロケーション |
Research Abstract |
昨年から継続して脂肪酸結合蛋白XとGLUT4小胞との直接のinteractionに関しては、脂肪酸結合蛋白Xは、CSP1(Cysteine string protein 1)に結合する蛋白としてMass Spectrometryで同定しており、合部位などの解析を進める予定でCSP1と脂肪酸結合蛋白X両方の種々のTag付き欠失蛋白を遺伝子改変法を使い作製を行っている。CSP1は、インスリン抵抗性状態で発現が増加し、GLUT4の細胞膜融合を抑制することが見出され(Jambaldorj B et al. 2013 JMI 60(3-4)p197-204)、CSP1の発現が減ると脂肪酸結合蛋白Xの発現が増加することより、GLUT4のトランスロケーションには相反する効果を認めることが推測され、お互いを制御している蛋白の同定をおこない相互間メカニズムを解析中である。昨年からの研究の継続で脂肪酸結合蛋白Xは、遺伝子操作研究の結果脂肪分解には影響せず、脂肪取り込みに重要であることが判明している。 また、脂肪酸結合蛋白XのsiRNAをエレクトロポレーション法で分化後の3T3-L1脂肪細胞に導入させ、90%以上遺伝子発現をノックアウトし、その後インスリン依存性の糖取り込みに対しては、GLUT4と共局在し、GLUT4のトランスロケーションの低下を起こすことが確認された。そのメカニズムにはチュブーリンの細胞内骨格蛋白と脂肪酸結合蛋白Xの関連を見出しており、インスリン刺激による細胞内骨格蛋白のrearrangement後のGLUT4の細胞膜移動に細胞内骨格と結合することで関与している点を確実化するために実験を繰り返している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年からの継続したpreliminaryなデータは現在一部では確実に結果が正しいかの確認に時間がかかったが終了している。ノックアウトマウスの解析は、現在すでに国内他大学との共同研究が開始しており(科学研究費から研究費委譲は派生しないアドバイスの形)、既に成果に関しては学会で報告を行っている。ただ、特異的な脂肪酸との結合がcontroversialの状況であり、そちらについては更なる研究が必要となっており、脂肪酸の食事の質の違いによる生活習慣病改善効果をみる臨床研究などに関してはめどが立っていない。 アフィニティクロマトグラフィー法を用いて精製してMass Spectrometry解析をおこないCSP1、脂肪酸結合蛋白X以外の脂肪酸結合蛋白Xに結合して作用する新規治療薬の候補蛋白を探索のため、数10個の候補蛋白のIn vivoでの脂肪酸結合蛋白Xとの結合の解析を行い確実化している。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪酸結合蛋白Xと特異的結合脂肪酸の検討のため、昨年から行ってきた種々の遊離脂肪酸(多価不飽和脂肪酸、単価飽和脂肪酸、多価飽和脂肪酸、およびω3系多価不飽和脂肪酸)との結合を精製した脂肪酸結合蛋白Xとin vitroで脂肪酸を結合させた後、低相液体クロマトグラフィーを用いて解析を行い特異的な結合脂肪酸の解析を継続してなるべく臨床研究が開始できるように確実化する。 脂肪酸結合蛋白Xに結合して作用する新規治療薬の候補蛋白を探索のため、数10個の候補蛋白のIn vivoでの脂肪酸結合蛋白Xとの結合の解析を繰り返し行い確実化を目指す。さらにそれらの候補遺伝子操作を行い糖取り込み機構に関与しているかの解析を行う。ノックアウトマウスの解析は共同研究で継続して論文化を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年からの実験の確実化を行うために実験を繰り返しおこなっており、既存の試薬のみで追加の購入が必要としなかった。また、ノックアウトマウスの解析は、他大学で既に別の研究で作成済みが判明し、当初の予定から変更して現在すでに国内他大学との共同研究が開始しており(科学研究費から研究費委譲は派生しないアドバイスの形)、作製費、マウスの飼育代、餌代などの支出する必要がなくなった。 今年度は、更なる解析のために遺伝子解析用の消耗品の支出が増える予定である。また、ノックアウトマウスの解析が進んでおりそちらに関しては既に学会発表済みであり、今後論文化にかかわる解析ソフトなどの購入が必要となる。一方で臨床応用にはめどが立っておらず、当初予定していた予算を実験方法を変えて質量解析、分析などに予算を回してデータを確実化してなるべく臨床応用に進めるように実験を継続する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] CSP1 modulates insulin sensitivity by attenuating GLUT4 vesicle docking with the plasma membrane2013
Author(s)
Bayasgalan Jambaldorj, Eri Terada, Toshio Hosaka, Yuka Kishuku, Yukiko Tomioka, Kaori Iwashima, Yohko Hirata, Kiyoshi Teshigawara, Chung Thi Kim Le, Tadahiko Nakagawa, Nagakatsu Harada, Tohru Sakai, Hiroshi Sakaue, Toshio Matsumoto, Makoto Funaki, Akira Takahashi and Yutaka Nakaya1.
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Journal Title
Journal of medical investigation
Volume: 60(3-4)
Pages: 197-204
DOI
Peer Reviewed
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