2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
寺澤 洋子 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (50390307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福松 亜希 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 助手 (90637141)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨密度 / 思春期 / 食習慣 / 運動習慣 / 腹囲 / 肥満度 |
Research Abstract |
【目的】骨粗鬆症の予防には、成長期において最大骨量(PBM)を可能な限り高めておくことが必要である。しかしながら近年における若年世代の痩せ志向は、低年齢(小学生)段階からのダイエット経験者の増大を生じ、骨粗鬆症予備軍としての存在が懸念されている。本研究では、思春期期女性(中学生および高校生)の経年における縦断研究により踵骨音響的骨評価値(OSI)に寄与する環境因子を明らかにするために、食事摂取状況、運動・生活習慣などの実態調査を行い、OSIに寄与する環境因子について検討する。また、得られた知見を基に若年期世代の「食育」に導入することで生活習慣病の予防ひいては医療費の削減を目指すものである。 【方法】対象者:思春期の女子中学生および女子高校生の中から、本研究への参加に保護者からの同意が得られた195名を分析対象とした。調査期間:平成24年8月22日、23日、30日、9月1日の4日間であった。調査項目:身長、体重および腹囲を計測し、判定の基準として肥満度および小児メタボリックシンドローム基準≧80cmを用いたOSIは超音波骨評価装置で測定した。食事調査(FFQ中村)および運動習慣、生活習慣、健康状態に関するアンケート調査を実施した。統計解析:相関関係の検定にはPEASONの相関関係を用い、2群間の平均値の差の検定には対応のないT検定を行った。 【結果および考察】OSIは中1に対し高1および高3において有意に高値を示し(p<0.01)、思春期はOSI獲得の途上にあることが推察された。肥満度判定により、それぞれやせ群、普通群、肥満群の3段階に区分しOSIを検討した結果、やせ群のOSIは普通群と肥満群に比し有意に低値を示したたことから(p<0.01またはp<0.05)、適正体重の維持が重要であり、思春期における過激なダイエットの弊害に対する指導および望ましい食教育の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、これまでの研究結果から、学年によるOSIの差、OSIと体格(肥満度および腹囲)、月経の有無との関連性および運動習慣との関連性など、OSIに寄与する環境因子が示唆されている。OSIと食物摂取状況との関連性については、一般に短期の調査では相関が見られないことがあるので、長期にわたるデータ集積(経年)の総合的な累積により検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には平成24年度の計画と同様の手法で行う。即ち、保護者から同意が得られた中学生および高校生の女子を対象に、(1)身体計測(身長、体重、腹囲およびOSI:超音波骨評価装置)(2)アンケート調査(食事調査:FFQ中村、運動習慣およびヘルスチェック)を行いOSIに寄与する環境因子を明らかにする。 本年度の食事調査では、一般に骨量と関連があるといわれている栄養成分(Ca,V,D,P)および食品(牛乳、乳製品、小魚、納豆など)の摂取状況とOSIとの関連について有意さが認められなかったので、今後はOSI値を区分し(低値~高値)、上記に示す栄養成分および食品群との関連性について検討を行う予定である。さらに、各個人の経年におけるOSIの変化率(ΔOSI)の検討をし、成長期のどの年齢においてOSI獲得が大きいのか検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は調査研究であり「食事調査」およびアンケート調査の聞き取り段階で人的導入を要する。本年度は、聞き取りの他、データの入力などの迅速性を図るために、昨年度の残額を含み研究協力者としての学生アルバイトの増員、ノートパソコンの購入を図る。また、食事調査をする折の食品媒体として、骨粗鬆症指導用フードモデルを購入予定である。学会参加の経費(栄養改善学会他)、データ保管用収納スチール棚および事務用品(ファイル、USBメモリ、プリンター用インクカートリッジ、用紙他)に使用する。
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