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2013 Fiscal Year Research-status Report

発展型実習授業に適する高機能化流星電波観測教材の開発

Research Project

Project/Area Number 24501041
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

吉田 英人  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 技術専門員 (30376553)

Keywords流星電波観測 / 多地点電波観測 / 前方散乱レーダー / 電波干渉計 / 超高層大気 / GPS / 実習教材 / フィールドワーク
Research Abstract

本研究は、送信点とは別の地域に多数の受信地点を設置し(多地点観測法)、流星が流れた飛跡に沿って生じるプラズマに反射した電波(以下流星エコー)を、少なくとも1地点には電波干渉計を配置し流星の飛来方向を検出し、他の各観測点では流星エコーの到達時間差と送信点-流星-受信点の距離データを取得して、これらを組み合わせ高精度の流星実経路を求め、その力学運動より流星の諸パラメータを見積もる教材の開発を目指している。
本年度は微弱な流星エコーを受信できるためのフィルターの設計・製作と昨年度設計した電波干渉計用受信機の製作を主に行った。フィルターは都心の強力な干渉波(FM・テレビ放送等)が受信機内で相互変調歪を生じ、観測帯域内に干渉信号を生じうる点に注目し、それらを低減するように設計・製作した。さらにフェライトコアを電源及び信号ケーブルに装着した。その結果、100MHz-1GHzにおいて60dB以上の減衰量を得るとともに、電源ハム及びパルス性ノイズをそれぞれ8.3dB,2.2dB低減した。バックグラウンドは200KHzの受信帯域幅内で-99dBm程度まで下がった。完成した電波干渉計用受信機の評価は、本郷キャンパスにアンテナを設置し安定に動作することを確認したのち、電波環境が良好な防衛大学校に設置して評価を行った。その結果、2014年12月のふたご座流星群活動時期に流星エコーを捉え解析した結果、ある流星では素子1-2間でΔψ=-1.54rad、素子1-3間でΔψ=0.73radと、電波干渉計で最も重要なアンテナ間での位相差を見出すことに成功した。
そのほかに、安定に電波干渉計のデータを収集するためのソフトの開発、一部の観測点で使用する観測システムの小型化、具体的にはアンドロイドOS上で作動するタブレット端末でのデータ収集システムの開発に成功した。
上記の一部は、日本天文学会で発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は観測実機の製作を行い、観測を開始する予定であったが、バックグラウンドを低下させるフィルターの設計・製作・実験・再設計・再製作に時間がかかり、観測実機の十分な評価ができなかった。しかし、最も重要な流星エコーからの位相差を検出することには成功した。

Strategy for Future Research Activity

26年度は、25年度に製作した電波干渉計用受信機とデータ収集システムの最適化と改良をおこなう。具体的には(1)復調方式をアナログIQ直交検波(25年度式)からディジタルダイレクトサンプリング方式(26年度式)へ変更することにより、完全直交性が得られ(アナログ回路のインバランスの欠点が無くなる)、その結果イメージ除去比が向上し、干渉波に対する耐性の向上を目指す。(2) 25年度はデータを8bitで扱っていたが、26年度は14bitにする。このことによりダイナミックレンジが拡大し、強力な信号であっても飽和しなくなる。(3)サンプリングレートを400KSPS(25年度式)から100MSPS (26年度式)に上げて、複数送信波の帯域信号を同時に取得することができるように広帯域化を目指す。これらの改良で、観測精度の向上が図れることが期待できる。
完成した観測用実機は太陽フレア現象にともなう電波バーストを利用し、受信機の評価・校正をおこなう。さらに実際に流星群出現時期に合わせ観測を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

25年度中に観測用実機の性能評価を十分に行うことができなかったので、機能の最適化にともなう改良費が次年度使用額として生じた。
主に改良型干渉計用受信機の実機製作費および性能評価にともなう観測費用にあてる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] GPS同期多地点流星電波観測用、測距システムの開発2014

    • Author(s)
      臼居 隆志,吉田 英人,矢口 徳之,宮本 英明,寺澤 敏夫
    • Organizer
      日本天文学会
    • Place of Presentation
      国際基督教大学(東京都)
    • Year and Date
      20140320-20140321

URL: 

Published: 2015-05-28  

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