2012 Fiscal Year Research-status Report
学生による超小型人工衛星プロジェクトのための衛星データ配信共有システムの開発
Project/Area Number |
24501079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
浅井 文男 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (00212465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 工学教育 / 科学教育 / 超小型人工衛星 |
Research Abstract |
平成24年度の研究では第1に、超小型人工衛星(CubeSat)が送信するデータ(AX.25プロトコルUIフレームデータ:衛星データ)をリアルタイムで配信し、衛星開発チームとプロジェクトサポーターが共有するシステムの開発に適したソーシャルネットワークサービスを調査した。検討の結果、誰でも容易に利用でき、リアルタイム性に優れたTwitterを採用することに決定した。第2に、受信した衛星データをTwitterに投稿するシステムの具体的な構成や機能を考案し、プロトタイプを試作した。システムのオペレーティングシステムにはCentOS6サーバを採用した。また、システムのアプリケーションソフトウェアを衛星データの受信部と投稿部で構成し、受信部にはjavaAX25と呼ばれるオープンソースソフトウェアを、また、投稿部にはRubyでボットをそれぞれ実装した。第3に、実験室レベルで試作システムの動作検証を行い、受信部と投稿部はそれぞれ設計どおりに連携動作することを確認した。 試作システムの特徴や利点は、第1にターミナルノードコントローラ(ハードウェアTNC)が不要である、第2に1台のパーソナルコンピュータでサーバが構築できる、第3にアプリケーションソフトウェアを容易にカスタマイズしたり、ライセンスフリーで配布できる、第4にAX25プロトコルUIフレームデータであれば任意のCubeSatに対応する、第5にネットユーザーであれば誰でも衛星テータをブラウザで閲覧できることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施した調査研究の結果、本研究で開発するシステムに既存のソーシャルネットワークサービスであるTwitterを採用することにした。そのため、本研究で提案するシステムの構築やサービスの実現に既存の技術や先行研究の成果が利用できることになり、プロトタイプシステムの設計・試作・動作検証をほぼ計画どおり順調に進めることができた。しかし、試作したシステムの有効性を実践的に評価するために必要な衛星地上局の設備を実験室に導入することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では第1に、超小型人工衛星(CubeSa)のデータを受信するための受信装置(衛星地上局)を実験室に設置する。第2に、受信装置と試作システムを連係動作させて実践的な動作検証を行う。第3に、javaAX25にTwitter投稿機能を追加実装して、システムの受信部と投稿部を1つのソフトウェアに統合する。また、統合に併せて、受信データから投稿データを適切に抽出するフィルタ機能も追加実装する。第4に、Twitterに投稿された衛星データからテレメトリデータをユーザーが選択・解読できるTwitterクライアントソフトウェアを開発する。Visual Studio C#ですでに作成しているでプロトタイプをStreaming APIに対応させ、テレメトリの解読機能をプラグイン方式で追加実装することで、実用性のあるクライアントソフトウェアを完成させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費はおもに超小型人工衛星(CubeSat)の受信装置を実験室に導入するために必要なアンテナ設置工事や受信機などの備品購入に使用する。また、昨年度の研究成果も含めた研究成果の発表を行うための国内旅費に使用する。平成25年度中に開発システム全体の実用性が確認できれば、ユーザーマニュアルの作成や講習会の開催費にも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)