2013 Fiscal Year Research-status Report
学生による超小型人工衛星プロジェクトのための衛星データ配信共有システムの開発
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24501079
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
浅井 文男 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00212465)
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Keywords | 超小型人工衛星 / 衛星データ / オンライン共有 / オンライン配信 / Twitterサービス |
Research Abstract |
昨年度の研究では、CentOSサーバ上でソフトウェアモデムjavaAX25とTwitterボットを稼働させる衛星データ配信システムを構築し、実用性を実験室レベルで検証した。しかし、このシステムではTwitterボットをRubyスクリプトで作成したため、javaAX25とTwitterボットの連係動作設定が必要になり、導入に手間がかかる。javaAX25はJavaでコーディングされたオープンソースソフトウェアなので、今年度はTwitterボットをJavaで作成し、javaAX25に組み込むことで、衛星データ配信システムに必要なアプリケーションソフトウェアを1つに統合して実装を容易にすることを試みた。JavaによるTwitterボットの作成には標準的なライブラリであるTwitter4Jを使用する。また、衛星データ配信システムのOSにはサーバ用のOSは必要なく、導入や管理が容易なデスクシップ用のOSでもよいことが判明したので、OSをUbuntuに変更して衛星データ配信システムの構築も試みた。 研究結果として、TwitterボットをJavaで作成し、javaAX25とともにUbuntu上で連係動作させることで、正常動作を確認することができた。しかし、時間的な制約でTwitterボットをjavaAX25に組み込んでアプリケーションソフトウェアを1つに統合することまではできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は開発システムのアプリケーションソフトウェアを1つに統合し、動作検証を実施するまでを達成目標に据えて研究に取り組んだがすべての課題を達成することはできなかった。その理由は研究時間が想定していたよりも確保できなかったことにある。研究代表者が学科主任を務めていたため1年間を通じて恒常的に新たな公務が発生し、研究よりもそれらの公務を優先せざるを得なかった。研究の最終年度である来年度は学科主任から外れるので、遅れを取り戻すために必要な研究時間が確保できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はまず第1に、開発システムのアプリケーションソフトを1つに統合し、実践的な環境で実用性の評価を行い、システムを完成させる。第2に、Raspberry Piと呼ばれる教育用マイコンボードに開発したアプリケーションソフトと、rtl-sdrと呼ばれるSDRソフトウェアを実装し、連係動作させることを試みる。正常に動作すれば安価で持ち運びが可能な衛星データ配信システムが実現できる。 近年、plotlyと呼ばれるデータストリーミングのためのクラウドサービスが衛星データなどの配信や共有に利用され始めている。本研究ではTwitterサービスを利用するシステムの開発に取り組んできたが、時間的な余裕ができれば、超小型人工衛星(CubeSat)の衛星データをplotlyを利用してオンライン配信・共有するシステムへの拡張についても第3の研究テーマとして取り組みたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1の理由は、学科主任を務めたため年間を通じて公務が発生し、それらを優先することで研究に必要な時間が十分確保できず、当初の研究計画に従って研究遂行に必要な物品を購入したり、研究資料の入手や研究成果の発表のために学会や研究会等に出張することができなかったためである。第2の理由は消費税増税に伴う駆け込み需要が発生したため、研究に使用するパーソナルコンピュータの業者による納入が年度内に実現できなかったためである。 繰越金については今年度に導入できなかった開発システム用のパーソナルコンピュータを購入するとともに、昨年度に得られた研究成果を発表するための学会出張の旅費として使用する予定である。翌年度請求助成金は、研究室に超小型人工衛星データ受信装置を設置するための費用と、新たに得られた研究成果を発表するための学会および研究会への出張旅費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)