2014 Fiscal Year Research-status Report
学生による超小型人工衛星プロジェクトのための衛星データ配信共有システムの開発
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24501079
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
浅井 文男 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00212465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超小型人工衛星 / 衛星データ / オンライン共有 / オンライン配信 / Twitterサービス / Raspberry Pi |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で開発した衛星データ配信・共有システムではソフトウェアモデムにJavaAX25を使用していたため、Bell202規格(1200bpsAFSK)のAX.25パケットデータしか復調・解読することができなかった。この制約を解消するため、今年度は近年主流になりつつある9600bpsGMSKのパケットデータも復調・解読できるソフトウェアモデムであるDireWolfを採用したシステムを構築し、性能評価を行った。その結果、1200bpsAFSKではjavaAX25と同様、95%のパケットデータを、また、9600bpsGMSKでは90%のパケットデータをそれぞれ復調・解読できることが確かめられた。 昨年度までのシステムではソフトウェアモデムとTwitterボットのデータ受け渡しにファイルを使用していたが、DireWolfは復調データをソケット通信で送出する機能をもつので、Twitterボットにもソケット通信機能を実装し、ファイルの書き出しと読み込みの処理を不要にすることで、システムのリアルタイム性を向上させることができた。 DireWolfとTwitterボットはRaspberry Piでも正常に連係動作することも確認したので、開発システムのプラットフォームハードウェアにはRaspberry Piを採用することにした。これにより、システムの製作費が大幅に削減でき、プロジェクトサポーターが個人で容易に導入することも可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初に計画した配信・共有システムのハードウェアおよびソフトウェアとも設計・開発はほぼ達成したが、その動作確認および実用性の評価は実験室レベルで実施した段階に留まってしまった。その主な理由は、衛星(CubeSat)の電波を受信するためのアンテナ設備が経年劣化のためが故障し、実践的な動作検証実験が実施できなかったためである。研究費の使途をアンテナ設備の更新に変更して対応を図ったが、設置工事が平成26年度末までかかり、動作検証実験を年度内に完了することができなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間延長の申請を行い承認されたので、平成27年度は更新したアンテナ設備を使用して開発システムの実践的な動作検証実験を実施し、実用性の評価を行う。また、平成26~28年度文部科学省宇宙航空科学技術推進委託費実践的宇宙若手人材育成プログラム「国立高専超小型衛星実現に向けての全国高専連携宇宙人材育成事業」に参画することができたので、この事業で取り組む人材育成活動や衛星開発にも活用する方策を検討する。
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Causes of Carryover |
開発したシステムの実践的な動作検証・性能評価実験に使用するアンテナ設備が経年劣化により故障したため、実験が完了できなかった。そのため、研究成果を発表する学会講演への出張旅費や、学会誌への論文掲載料が計画どおり執行できなかったため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発システムの動作検証・性能評価実験を実施し、研究成果を教育システム情報学会、全国高専フォーラム、高専シンポジウム等で発表するための出張旅費や、学会誌への論文掲載料に使用する。
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Research Products
(2 results)