2012 Fiscal Year Research-status Report
ノーベル賞の分析による研究者の知的創造過程と研究振興政策の関係に関する実証研究
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24501092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
赤池 伸一 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (50611612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 スウェーデン |
Research Abstract |
①既存研究に関する調査:ノーベル賞に関する既存文献、書籍等に関する調査を行った。特に、関連研究として、授賞選考システム、受賞者の属性(年齢、地域)と受賞研究の関係に関する研究について精査を行った。 ②知的資産を代表する指標としてのノーベル賞に関する情報の分類整理:ノーベル賞の電子アーカイブを利用して、物理学賞、化学賞及び医学・生理学賞について、国別、年代別の基本データベースを作成した。これにより、受賞者の国別比率の歴史的な変化に関する大凡の傾向を把握した。 ②マクロ的な視点からの公的研究振興政策の変遷及び国際比較分析:OECDデータベース、白書等の国際比較可能なデータを用いて、ノーベル賞受賞者の多い主要国に関して、対応する科学技術指標、経済指標等を収集した。代表的な指標として、論文数、特許数、研究開発費、GDP等について長期系列のデータを整備した。これにより、主要国の科学技術的な側面から、及び経済的な側面からの国際的地位の歴史的な変化に関する大凡の傾向を把握した。 ③ノーベル賞受賞者に関するマイクロ分析:ノーベル賞受賞者の論文等に関する試行的なネットワーク分析を行い、手法としての検証を行った。また、日本人受賞者へのインタビュー計画の立案、質問票の検討を開始した。 ④研究体制の確立等:ポスドク及び大学院レベルの研究補助者を確保し研究体制の整備を行った。また、ノーベル博物館(在ストックホルム)との間で今後の協力体制の構築に関する協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究体制の整備、既存研究の調査及びマクロレベルの統計データの収集に関しては、順調にデータベースの作成が進んでいる。 研究振興政策とノーベル賞の授賞に関する因果関係を明らかにするためには、ネットワーク分析やインタビューによるマイクロな分析が不可欠であり、このための基礎データの作成が重要な意味を持つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
受賞者の属性と受賞研究に関する詳細なデータベースの作成、主要国の研究振興政策に関する定性的な情報の収集・整理を行う。個々の受賞者に関するネットワーク分析や日本人受賞者等に対するインタビューを通じたマイクロレベルの分析を強化する。ノーベル博物館との具体的な協力関係、データ利用やインタビュー情報の利用を進める。 これらを通じて、研究振興政策、知識創造プロセス及びノーベル賞の受賞の関係性を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、研究補助者の選定、データベース作成の仕様検討等が遅れたため、余剰額が生じた。平成25年度は、データベース作成のための研究補助者への謝金、データ作成に関する外注費、ノーベル博物館との意見交換、学会発表等のための旅費、書籍、データベース等の購入費等として使用することを計画している。
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