2015 Fiscal Year Annual Research Report
ノーベル賞の分析による研究者の知的創造過程と研究振興政策の関係に関する実証研究
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24501092
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
赤池 伸一 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第3調査研究グループ, 客員研究官 (50611612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノーベル賞 / 研究振興政策 / 科学技術政策 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ノーベル賞の授賞・選考システムに関しては、過去に選考委員等に行ったインタビューをとりまとめた。かつての第2期及び第3期科学技術基本計画に示された「受賞者を50年で30人」という目標は、国際的にも誤解を招いたが、その後、日本の基礎研究への投資や人材育成への熱意を示すものとして、好意的に受け入れられた経緯等を示した。 ノーベル賞に関するノーベル・ウェブ社のデータを用いて、受賞年、受賞内容、受賞者の出生国、所属機関等に関するデータの精査を行い、今後の個々の受賞者のキャリアの分析に用いるデータベースの作成を行った。特に、自然科学3賞の全受賞者について、授賞の対象となった研究成果を生み出した年齢に関する分布を明らかにし、30代を中心とする年代が極めて重要である旨を示した。また、国別の受賞者等の100年あまりの変遷を比較すると、米国の科学技術力や経済力の増大とともに、受賞者数が飛躍的に増加したこと、独等の欧州各国の受賞者はおおむね減少傾向であること、2000年代における日本の受賞者が飛躍的に伸びていること等が判明した。 ノーベル化学賞受賞者の受賞論文を中心とする論文の相互引用分析、特許との関連分析等を行い 、人的なネットワーク構造の試行的分析を行った。そのほか、ノーベル賞受賞者である小林氏、梶田氏、大村氏及び関係者へのインタビューを行い、研究キャリア等の授賞に結びついた要因を分析した。 これらの研究成果については、文部科学省と連携し、平成28年版科学技術白書の特集において発表した他、APIC 2015(上海市)等の国際学会、政策研究大学院大学、京都大学等のセミナー等で発表を行うとともに、文部科学省等の政策当局へのアウトリーチを行った。
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Research Products
(5 results)