2012 Fiscal Year Research-status Report
理科学習の有用性を実感できるキャリア教育プログラムの開発とハブシステムの構築
Project/Area Number |
24501094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
萱野 貴広 静岡大学, 教育学部, 教務職員 (30293591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内ノ倉 真吾 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70512531)
熊野 善介 静岡大学, 教育学部, 教授 (90252155)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 学習の有用性 / 中学校理科 / 地域教育リソース / CSR活動 / キャリア教育ハブシステム / キャリア教育ネットワーク / 企業ベネフィット |
Research Abstract |
教科学習の有用性を実感し科学への関心を高め、科学や科学技術系職業への進路意識の醸成を目的として、以下の実践を行った。 1.中学生の実態調査 実践協力校3校の中学生約500名に対して、理科および科学・科学技術系職業に対する意識調査を行った。“自分が理系か文系か”の質問に対して、1年生で45.5%、3年生で32.1%の生徒が「今まで意識したことがない」と答えていた(A校)。2年生の67.2%が「理科を勉強することは将来の仕事の可能性を広げてくれるので、自分のためになる」と答えていたが、“将来、科学や科学技術系の職業に就きたいと思うか”の質問に対して肯定的に答えていたのは25.8%であった(B校)。附属中学校3年生のうち、理科を嫌いと答えた生徒は9%に満たず、半数以上の生徒が自分は理系だと意識していた。中学校の諸状況の違いによる生徒の実態や意識の多様性が明らかになり、今後のキャリア教育プログラム開発および導入方法に大きな示唆を得ることができた。 2.授業実践 A校で1年の単元「いろいろな物質」において、キャリア教育教材“Doing Science Trigger”を導入した。本教材は、21年開発の教材を新学習指導要領における単元配列の文脈に沿って改善して用いた。B校では近隣の企業の研究者、技術者による授業を継続実践した。新たに2企業の参入を得ることができた。附属中では、単元「化学変化とイオン」で、企業と教師と大学の研究者が連携した実践プログラムを開発し実践した。単元全体を通してキャリア教育を意識した効果的な実践となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.3校の実践協力校に対する“理科や科学技術系職業”に関する生徒の実態調査の結果、学校での教科学習や理科と日常生活の関わりに関する認識、科学や科学技術系職業に対する生徒の意識の多様性が明らかになったこと、また授業実践後のアンケートによる生徒の学校学習やキャリア意識についての変容の分析から(現在分析中)、今後のプログラム開発や導入方法への示唆を得ることができたこと。 2.公立校で3年間継続してきた複数企業によるキャリア教育を24年度も実践でき、新規に2企業の賛同を得、ネットワークが拡がったこと。企業、教師、大学の研究者が協同開発したプログラムが、開発にとどまらず24年度中に実践することができたこと、さらにこの一連の協同作業が企業の社内研修にも有効であったこと。キャリア教育差し込み教材を新学習指導要領に沿って改善し試行できたこと、等による。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者との全体会議における実践発表、相互評価および文献資料の検討等によって研鑽を積み、平成25年3月発表の国立教育政策研究所による「キャリア教育・進路指導に関する総合的実態調査」等の最新情報や24年度の本調査結果から、生徒の実態に応じた効果的なキャリア教育実践プログラムを開発し実践する。実践授業前後の生徒の変容状況からそのプログラムの効果を検証する。生徒の変容については、アンケート調査の結果を中心に継続して分析する。これらから、開発したプログラムの妥当性について全員で総合的に吟味し、ブラッシュアップを図る。また、本基盤研究ネットワーク拡充のための具体的方策を練る。24年度に開設したホームページで、研究の進捗状況や実践授業に関する情報を発信し、積極的な交流を試みる。 現時点では、研究計画の変更はなく、研究遂行上の問題点はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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