2013 Fiscal Year Research-status Report
初任教師の熟達を支える職場環境調査と管理職・指導教員研修ツールの開発
Project/Area Number |
24501175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中原 淳 東京大学, 大学総合教育研究センター, 准教授 (00342618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
苅宿 俊文 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30307136)
脇本 健弘 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助手 (40633326)
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Keywords | 初任教員 / 教師教育 / 学校組織 / 熟達 / メンタリング |
Research Abstract |
近年における教職の多忙化、全教員の若年化により、経験の浅い教師の育成が問題になっている。例えば、現在都市部では、初任教師の割合が大幅に増加する一方、ベテラン教員の大量退職がはじまっており、今後10年で全教職員の3分の1が入れ替わると言われている(文部科学省 2011)。一般に、初任教師は初期キャリア形成時に、深刻な問題を抱えがちである。例えば、初任教師が受け持つ学級の学級崩壊や、授業運営に困難を抱えがちであることなどが指摘されている。 初任教員含め経験の浅い教員の熟達を支援していくためには、授業研究を充実させていくことに加え、校内に初任教師を支える人的な発達支援体制を戦略的、かつ、組織的に持続可能なかたちで構築していく重要性が指摘されている。例えば、本研究のフィールドとなっている某市では全校種に支援組織を整備し、初任教員の支援にあたっている。これらの人的ネットワークによる支援を通じて初任教員の力量形成を支援しようとしている。 このような状況を鑑み、本研究の目的は、初任教師が教師としての熟達を果たすうえで、「校内の管理職・指導教員・先輩教師等から どのような支援を受けているのか、その実態を把握する組織調査を行うこと」と、2)そこで得られたデータをもとに管理職・指導教員向けの初任教師育成のための研修ツールの開発を行なうことである。ここで熟達とは、授業や学級経営、保護者対応など教職全般の職務能力向上を指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、これまで某市にて取得してきた、1年次教員、2年次教員、3年次教員、5年次教員、10年次教員の調査の分析結果をもとに研修ツールの開発を行った。研修ツールの内は、管理職・指導教員に対して、学校の状況や初任教師とのかかわりについて概要を知らせ、また、そのシートを用いながら、それぞれの学校の状況を振り返ることができるツールである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これらのシートの実施を円滑に進め、本研究の知見を概括していくこと、また経験の浅い教師への支援モデルを模索することにある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究自体は安定的かつ順調に推移しているものの、平成25年、分析・実践を行っていく都合上、残額が発生した。しかし、研究自体はこれまでと変わらず、行っていく。 平成26年度は、研修ツールの利用可能性の模索、および、3年間の研究を総括した書籍を執筆する予定である。これによって初任者教員の熟達を支援するメンタリングのモデルが得られる。
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Research Products
(2 results)