2012 Fiscal Year Research-status Report
メタ認知とパフォーマンス評価を組み入れた高次批判的思考力育成モジュール教材の開発
Project/Area Number |
24501179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
後藤 康志 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝至 新潟大学, 本部事務局, 理事 (20018823)
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
澤邉 潤 新潟大学, 教育・学生支援機構, 助教 (30613583)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / 批判的思考 / パフォーマンス評価 / ルーブリック / 学士課程教育 / メディア認知 / メタ認知 |
Research Abstract |
第一に,モジュール教材作成とパフォーマンス評価のためのルブリック作成のための基礎的調査を行った。具体的には,学士課程修了の段階で求められる職務や研究の遂行に必要な高次クリティカルシンキング(以下,CT)について,人文社会・教育科学系,工学系,医療福祉系の教員に対してインタビューを行った。結果として,①領域固有のデータベースや雑紙等の特性を活かした適切な情報検索を行える能力,②求められる水準の情報に対してアクセスできる環境を整える能力,③専門以外の分野についても幅広く情報を集めることができる能力について,分野が異なっても共通して求められることが明らかになった。①については研究開始前より想定されていたことだが,②,③についても教材モジュール作成において考慮しなくてはならないことが明らかになった。この調査と同時に,学士課程修了段階における達成レベルも検討した。 第二に,自己とメディアの関係についてのメタ認知的知識に関する調査研究を行った。学習や仕事に必要な最新の情報を収集する際の基準と選択するメディアの優先順位をAHP(階層分析法)で可視化するものであるが,最も寄与していたのはメディア接触であり,「普段利用しているメディアほど課題解決場面でも利用しようとする」傾向が示唆された。このことから,教材モジュールには自己のメディア接触を可視化し,バイアスを自己理解できる仕組みが必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に,パフォーマンス評価のためのルブリック作成において,大学間で共通で活用できるメタ・ルーブリックとしてのValue Rubricを利用することで,本研究が求める高次CTを位置づけやすくなった。研究開始時,既に各研究領域におけるニーズをボトムアップ式に組み立てる手法のみならず,ある程度標準化された枠組みを適用することも必要であるという認識はあったが,Value Rubricがメタ・ルーブリックとして紹介され(例えば松下ら,2013),本研究で求める高次CTと学士課程教育全体の関係が明瞭となった。 第二に,異なる分野におけるパフォーマンス課題の共通性が明らかになった。例えば作業療法分野では,対処法が未知の症例に対して対応する手法を調べるためには①利用すべきデータベースにアクセスでき,②専門的知識を用いてデータベースから必要な対応の手法を抽出できることが求められ,農学分野では①卒業研究に必要な雑紙にアクセスでき,②自らの問題を設定した問題を解決するために必要な論文を選び,読解できることが求められる。といった具合である。 第三に,利用しようとするメディアに対するアクセシビリティがその後の高次CTの発揮に影響することが明らかとなり,そのためのモジュール教材の必要性が認識できた。メディア選択のメタ認知的知識の検討から,利用経験が豊富なメディアほど優先的に利用される傾向が示されている。一方,専門分野におけるデータベース,雑紙利用は,例えば卒業後,大学や研究室から離れることで困難になる場合も多く,卒業後もこうした情報源にアクセスできる環境を維持することが重要であることがわかった。こうしたモジュール教材の必要性については,申請当初は想定していなかった部分である。
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Strategy for Future Research Activity |
パフォーマンス課題については,バリュールーブリックも参考にしながら24年度に明らかになった専門分野の共通点に焦点化したパフォーマンス課題を作成し,それを工学,農学,教育学,歯学,作業療法学にローカライズする。25年度においてはそれらを試行し,実際のパフォーマンス課題とパフォーマンス評価を行う。 モジュール教材については,メタ認知的知識に関わる教材と,専門分野におけるデータベース等に対するアクセシビリティを高める教材について分けて行う。メタ認知的知識に関わる教材では,学習や仕事に必要な最新の情報を収集する際の基準と選択するメディアの優先順位をAHP(階層分析法)で可視化する開発済の教材の利用範囲を広げる。高次CTといえども幅広いメディアを活用した専門分野にこだわらない情報収集も必要であるというのが,その理由である。一方,既存のモジュール教材は元々市民としての一般的CT育成のために開発されたもので,個々の専門分野の特有性に対応できない可能性もある。そこで,基準や選択するメディア自体,学生が検討する教材も試行する。このことによって,一般的CT用の教材で「雑紙」とまとめている内容を専門誌毎に分けて優先順位を検討したり,「Web」とまとめている内容を専門データベース毎に分けてどのデータベースを優先的に利用するか検討したりすることが可能となる。 ここでの結果を基に,専門分野におけるデータベース等に対するアクセシビリティを高める教材に展開する。具体的には,AHPに示される理想的なメディア利用と実際の自己のメディア利用,そして日々のメディア接触を比較検討し,より理想的なメディア利用に近づけるための方法を検討するような教材である。25年度に作成し,一部,試行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を遂行するために必要な消耗品を購入する。 兵庫教育大学東京キャンパスにおいて研究を遂行に必要なヒアリングを行うため,旅費に使用する。
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[Journal Article] Short International Exchange Programs for Aspiring Students in Engineering Field2012
Author(s)
Takashi Sato, Shunichi Sakamoto, Tadaaki Shimizu, Takamasa Suzuki, Hiroyasu Iwabe, Tetsuo Oka, Yasushi Goto, Kauaki Yamagiwa, Annja Hopf, Lutz Wisheh, Takatsune Narum
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Journal Title
IACEE World Conference on Continuing Engineering Education
Volume: 2012
Pages: 1-6
Peer Reviewed
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