2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501192
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
片峯 恵一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (00264135)
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Keywords | ソフトウェアプロセス / 教育工学 / 科学教育 / プロセス教育 |
Research Abstract |
本研究では、ソフトウェア技術者が、ソフトウェアプロセス技術を用いて、ソフトウェア開発能力を継続的に改善することができる支援環境の構築を目的としている。本研究では、米国カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリング研究所の提案しているPSP(Personal Software Process)、TSP(Team Software Process)、およびそのトレーニングコースに基づいている。本年度は、主に学習者の動機付けプロセスの定式化と支援環境について研究した。 学習者の動機付けプロセスの定式化に関しては、状態遷移モデルに基づくモデルを提案した。このモデルは、動機付けプロセスの標準状態遷移モデルと呼んでおり、組織論的期待モデルを基礎として定義した基準状態遷移モデルを拡張したものであり、受講者を状態機械とみなし、動機付けに関わる状態と操作によって、動機付けプロセスを定式化している。このモデルにより、PSPに関する概念やスキルの導入から定着成功もしくは定着失敗までの過程を形式的に表現可能となった。 ソフトウェアプロセス支援環境に関しては、プロセスモデルの拡張とプロセスデータの可視化について研究した。プロセスモデルに関しては、前年度研究したPSPに基づくセルフマネジメントに関するモデルに、コースマネジメントの観点を追加、拡張した。これにより、前述した学習者動機付けプロセスモデルとの統合が可能となる。プロセスデータの可視化に関しては、ユーザが可視化の観点を自由に追加および定義できる枠組みを考案し、一部を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コースマネジメントに関する研究を先攻して行っており、チームマネジメントに関する研究が後回しとなっているが、研究全体の進捗としては特段に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本研究の最終年度であり、研究全体をまとめていく。具体的には、TSPを参考にして、チームマネジメントの観点から、ソフトウェア開発能力を継続的に改善できるようにするための手法を考案する。そして、これまでに研究してきたセルフマネジメントおよびコースマネジメントの観点からの手法と統合していく。また、手法を統合するにあたり、プロセスモデルやプロセスデータの可視化手法の改良や強化を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度末に投稿論文掲載料が発生する可能性があったため、相当金額を残しておいた。 本年度残った予算は、電子情報通信学会英文論文誌(2014年5月号に掲載決定)の掲載料に使用する。 それ以外は、当初予定通り使用する。つまり、研究成果発表や研究打ち合わせ、研究調査等に使用する予定である。
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